愛しい人よ。どうか声を聞かせて。

《超えしもの》である少年ユストゥスが出逢う、一人の少女。
彼女がユストゥスに関わったことで、ユストゥスの人生が大きく変化します。
毎日退屈をぼやいていた少年の世界が、彼女によって開かれるのです。
彼女の導きによって、様々なことに興味を持ち、学び、糧としていくのです。

この物語の風景や魔法の描写はとても美しく、丁寧です。
綺麗な色を生み出していく文章は、時にはずっと眺めていたくなるほど。
戦闘シーンも躍動感があり、風を切る音が聞こえそう!
謎めいた鈴の音が、耳の奥に切なげに響きます。

第一章ではユストゥス少年が少女と出逢い、別れ、成長していく過程が描かれています。二人の交流がじっくりと描かれており、彼らの幸せを願わずにはいられません。
個人的には、途中で登場するエルマーという魔術師がツボでして。
彼、とってもよく動きます。色んな意味で。
彼の良さをもっとたくさんの人に知ってもらいたいなぁと思います(^^)

第二章からは一転、明るく、時にははっちゃけた賑やかさに。 
可愛い女の子や格好良き女の子がたくさん登場しますよ!
そこから、序章へと見事に繋がっていきます。今はちょうど、そのあたり。

ユストゥスは大切な愛おしい人を、その腕に抱くことができるのか?
愛おしい人は、ユストゥスに応えてくれるのか?

人智を越えた存在である竜や、竜の血脈の人々。
怪しげな星神教に、人ならぬ者たち。
異世界からの転生者や、転移者。
まだまだこの世界は多くの謎に満ちています。

今後の展開が楽しみな物語です。
お薦めします(^^)!

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