本格派王道ファンタジーです。
確かに主人公ユストゥスは最強ではあるのですが、
いわゆる最強物のWeb小説ではありません。
「俺TUEEE」みたいにいい気になる展開は一切なく、
強さゆえの孤独に焦点が当たっています。
そんなユストゥスにも少年時代、彼を鍛えた師匠のような存在がありました。
それが本作のヒロイン、オートマタのリア。
孤独な少年にとって良き姉のような存在でもあったリアは、
ある日突然失われてしまいます。
それ以来、ユストゥスはずっとリアの幻影を求めてきました。
そんな彼の前に姿を現したのは――?
世界を巻き込む純愛を描いたファンタジー。
壮大なサーガか絵巻物を見ているように、めくるめく世界が美しく展開していきます。
骨太なファンタジーを読みたい方に、本作を強くお勧めします!!
最序盤こそ未来の話が入りますが、物語は主人公が幼少の頃からスタートします。
一章は主人公が復讐心のまま、仇を追って国そのものと戦うお話です。
登場人物もほぼ男となっているくらい、とても骨太な展開でした。
このままシリアス調で行くのかなと思いきや、
二章からはちょっと緩まり、隣国からの女性留学生とのほのぼのドタバタしたシーンも増えていきます。
ただ彼女達も物語の根幹に関わっていて、というのが最新の状況でしょうか。
総合的にはシリアスもまったりも、どっちもイケる作風でした。
キャラクターについてですが、何と言っても、主人公の少年(後の王様)が格好いいのです。
具体的に言うと、死に別れた(?)恋人の幻影を追って行く感じが、すっごく良いです。
それ以外のもの(地位や名誉)は興味が薄いのに、幼い頃に出会い守ってくれた女性のことが忘れられない、一途な男なのです。
人間離れした能力や感性を持ちながら、人間らしい執着心が同居した、とても魅力的なキャラクターですね。
留学生の女生徒達もキャラが濃いと言いますか、祖国も含めて凄く込み入った事情を背負っています。
それでも日常シーンでギャップを作って辛気臭くならない辺り、話の転がし方もお見事です。
世界観もとても壮大でした。剣と魔法と竜と人形(ロボ系)と転生が行き交う、とても奥が深い設定となっております。
こういう設定は足せば足すほど、話をまとめるのが大変なんですよね。
でもしっかりと説明は入りますし、何をやってるのか、何がどうなっているか、その辺はしっかり伝わってきます。
ちゃんと設定ありきでお話を成立させているあたり、作者様の筆力が窺えます。
設定も世界観も、幾重も綺麗に積み重なった濃度の高い異世界系ファンタジーでした。
《超えしもの》である少年ユストゥスが出逢う、一人の少女。
彼女がユストゥスに関わったことで、ユストゥスの人生が大きく変化します。
毎日退屈をぼやいていた少年の世界が、彼女によって開かれるのです。
彼女の導きによって、様々なことに興味を持ち、学び、糧としていくのです。
この物語の風景や魔法の描写はとても美しく、丁寧です。
綺麗な色を生み出していく文章は、時にはずっと眺めていたくなるほど。
戦闘シーンも躍動感があり、風を切る音が聞こえそう!
謎めいた鈴の音が、耳の奥に切なげに響きます。
第一章ではユストゥス少年が少女と出逢い、別れ、成長していく過程が描かれています。二人の交流がじっくりと描かれており、彼らの幸せを願わずにはいられません。
個人的には、途中で登場するエルマーという魔術師がツボでして。
彼、とってもよく動きます。色んな意味で。
彼の良さをもっとたくさんの人に知ってもらいたいなぁと思います(^^)
第二章からは一転、明るく、時にははっちゃけた賑やかさに。
可愛い女の子や格好良き女の子がたくさん登場しますよ!
そこから、序章へと見事に繋がっていきます。今はちょうど、そのあたり。
ユストゥスは大切な愛おしい人を、その腕に抱くことができるのか?
愛おしい人は、ユストゥスに応えてくれるのか?
人智を越えた存在である竜や、竜の血脈の人々。
怪しげな星神教に、人ならぬ者たち。
異世界からの転生者や、転移者。
まだまだこの世界は多くの謎に満ちています。
今後の展開が楽しみな物語です。
お薦めします(^^)!
深く広がりのある世界観を下地に描かれる、一人の少年の壮大な愛の物語。
とはいえ、決して甘い恋愛ものではなく。
深い愛情を向けてくれた最愛の者とのかけがえのない日々は唐突に奪われ、
そこから始まる過酷な戦いの日々。
復讐に至るまではシリアスな雰囲気でお話が進んでいきますが、ユストゥスと仲間たちとのちょっとした会話に和むこともあり、徐々に活躍が周りから認められて、慕われていくユストゥスの姿をみて、第1章のクライマックスに向けて気持ちが徐々に盛り上がっていきます。
第2章では、ガラッと雰囲気が変わって、数々の魅力的なキャラクターが登場し、日常的なお話も増えて全体的に明るい感じになり、楽しく読み進められます。
そうはいっても、この作品の魅力である戦闘シーンは第2章でも健在で、いつもワクワクしながら読ませていただいています。
レビュー時点では、まだまだこれからお話が広がっていきそうな雰囲気をひしひしと感じておりますので、この先の展開も楽しみに読ませていただきます。
ファンタジーが好きな方には、ぜひお勧めしたい作品です♪
主人公、ユストゥスは、前王の遺児。
かくまわれたランペール辺境伯家で、暗殺者に襲われる。
それを助けたのは、緑の瞳の、風変わりな美少女。
彼女はリア。
彼女はユストゥスに、学問や武芸、魔術までを伝授する。まだ少女なのに、なぜ、あらゆる事を教えられるのか。
それは彼女が……。
あ〜。これ以上はネタバレかなあ。
このリアが、すごく秘密が多く、まだ、最新話でも、完全にすべてがわかったわけではありません。
ユストゥスが国王へとのしあがっていく物語です。
また、竜と共にある隣国「ラフロン国」では、女性キャラが実に個性豊かで、
「み゛ぁああ゛あ゛ああぁぁぁん!」」
と空をふっとぶ可愛いトラブルメイカーがいます。
戦闘描写もたっぷり楽しめます。
ユストゥスは、リアだけを慕うようになります。
その恋情や、竜との邂逅などは、詩的でロマンティックです。
そして、リアは……。
ある日、姿を消してしまいます。
ランペール領を襲った、大規模な魔力災害とともに……。
───ユス。私があなたを守る。そのためにここに来た。私の唯一の星。
その言葉を、ユストゥスの心に残して……。
面白いですよ。ぜひ、ご一読を!