第2話「水泳部部長として」
今日も部員たちが練習を始めると、聡美は練習しながら皆を見て回る。
皆、一生懸命泳いでいるが、やはり技術的に未熟なところがある。
自分も彼らと同じだと感じながらも、彼らを指導しなければならない自分の立場を意識する。
泳いでいるうちに、部員たちの泳ぎ方の癖や弱点が見えてくるようになる。
「みんな、もう少し水を強く蹴って!足を早く動かして!」と部員たちを鼓舞しながら先導して指導した。
それらを見ているうちに、聡美は自分自身がどこが足りないのかも理解できるようになる。
そして彼女は、自分の弱点を克服するためもっともっと練習しなければならないという思いに駆られ自分自身を追い込み毎日部員たちと同じように練習をした。
そんな中、どうしても気になる泳ぎをする一年生の部員の彩がいた。
バタフライを泳ぐ部員だ。確かにその泳ぎ方でも十分早い。でもどうしても気になって仕方がない。
その泳ぎ方は、息継ぎをする度に頭の位置が違う事だ。聡美は、息継ぎする際に頭の位置を低く一定の位置にした方がもっと早く泳げるのではないかと思っていた。
しかし、今の泳ぎ方を崩したら遅くなるのでは?と思い言い出せなかった。
そこで、コーチに相談することにした。コーチもその事には、気付いていた。
タイムも伸び悩んでいたのでコーチが一年生の彩を指導することになった。
彩は、コーチの指導で最初の頃は泳ぎ難くタイムが落ちて落ち込んでいった。
そんな彩を励まし、時には自分の練習を中断して一緒に泳いだりした。
しかし、ある時を境にタイムが伸びていった。遂には、自己ベストを連発するようになった。
そんなある日、大会でバタフライを泳ぐはずだった二年生部員の一人が怪我をしてしまい、欠場することになりました。
その部員はチームの主力の一人であり、大会での団体優勝に欠かせない存在でした。
その事により団体優勝の可能性が低くなり、部の雰囲気が落ち込んでいた。
聡美は、そんな部の雰囲気を察して常に明るく!部員たちを鼓舞して行った。
そして、コーチに代わり大会に出る部員を彩にするように進言した。
コーチも代わりの部員選出に悩んでいた。そんな時に聡美の一言で彩に決めた。
彩にしてみれば、青天霹靂!彩は後から知ったが、泳ぎ方の指摘・大会への選出も部長である聡美の進言で決まった事を。
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