第4話「誠、高校生活最後の大会」

月日が経ち、地方大会が始まった。この地方大会で優勝すれば全国大会に出場できる。

聡美は、水泳部の練習を休んでバトミントン部?いや誠の応援に駆けつけた。

大会は個人戦・団体戦があり、個人戦からスタート。

聡美は、バトミントン部の応援に大声をだして応援した。特に誠が出る試合に関しては、より一層の力を

込めて大声を出して応援した。

そして誠が率いるバトミントン部は、一回戦で敗退する者もいれば、二回戦・三回戦に苦しみながら進む者も。

部長として「大丈夫。まだまだ!」と部の雰囲気を悪くしないように色々な意味を込めて声を掛けていった。

そんな中、聡美らの応援を背に決勝戦に進んだのは誠だけになってしまった。


誠は、団体戦にもエントリーしている。団体戦は、5試合あり先に3勝したほうが勝ちである。

一回戦・二回戦ともに3連勝して順調に勝ち進んだ。

三回戦は3勝1敗と少し苦しんだが、何とか勝って四回戦に進むことが出来た。

四回戦になると、さすがに相手も強くなる。先に2勝して勝ちに王手を掛けたが、相手もなかなか強くついに2勝2敗の五分に持ち込まれた。

誠は団体戦では5試合目の出場で、今まで団体戦で試合をしてないので休憩は十分に取れて体調万全である。

そしてついに団体戦での誠の出番が回ってきた。誠の相手は、個人戦の決勝戦で当たる相手である。

聡美は大声で誠を応援した。

団体戦四回戦の第5試合が始まった。先に誠が点を取り、試合を進めていった。

相手も強く、くらいついてきて点数を離すことが出来ない。そして、ついには逆転されてしまいマッチポイントまで取られてしまった。聡美は、力を込めて応援した。誠は、声援に応えるべく頑張った。

そして、渾身のジャンピングスマッシュを打った。しかし、無情にもネットに引っかかってしまい負けてしまった。

着地の際に足首を捻った様で、誠はコートにうずくまっていた。コーチが直ぐに駆け寄り、担架を要請した。

聡美は、その姿を見て医務室に走って行った。

医務室のトビラを勢いよく開けると、ベットの淵に座って足首にテーピングを巻かれてる誠の姿があった。

誠は聡美の姿を見るなり「やっちまった!負けちゃったよ」と明るく呟いた。

その後、部員たちも駆けつけた。誠は、部員達に「ごめん。負けてしまって」と謝っていた。

「この後の試合どうするんですか」と部員たちは、個人戦の決勝を心配していた。

誠は、その場で立ち上がり「大丈夫!大丈夫!」とテーピングが巻かれた足首でジャンプして部員たちの心配を解こうとしていた。

しかし、聡美は見逃さなかった。ジャンプした際の一瞬の痛がる顔を。

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