「水の中で輝く女子高生、夢を追い泳ぎ続ける」

ニート「キムチ」

第1話「水泳と大学受験と誠」

 プールの水面が照明に照らされてキラキラと光る。地方の高校では珍しく、室内のプール。

そんなプールで聡美は、水泳の練習をしている。彼女は女子水泳部の部長であり自由形のエース選手。

「聡美、今日も調子が良さそうじゃない!その調子で大会も頑張ってよ!」と声をかけてきたのは同学年の部員の智子だった。

聡美は、高校生活最後の大会に向けて、自分自身を追い込んでいた。

そして「高校生活最後の大会、絶対に優勝して、幼馴染にの誠に告白したい!」

そんな思いで、彼女は練習を続けた。

 しかし、彼女が練習することができる時間も限られていた。

彼女は、大学受験も控えており、大会と同時に大学受験も控えていた。

水泳に打ち込むことも、受験勉強に打ち込むことも、どちらが自分にとって正しいのだろうか。

そして、クラスメイトの幼馴染の誠への思い。

そんな不安を抱えたまま、彼女は連日水泳の練習をしている。


 誠は彼女にとって何時の間にか特別な存在になっていった。

水泳部の練習が終わり、聡美はシャワーを浴びながら高校生活最後の大会に向けての思いを巡らせていた。

「もうすぐ大会だな……。今年は絶対に優勝して、最高の形で高校生活を終わらせたい。そして、誠に告白する勇気が欲しい」と心の中でそうつぶやく。

ふとした瞬間、瞑った瞼に飛び込んできたのは自分がスタート台に立つ姿だった。

自分自身の姿が思い描くほどに美しく上手く見えず、軽いため息が漏れた。

「どうしたの、聡美?」

振り向くと、智子が微笑みかけてくれた。

「あ、智子。なんでもないよ。ただ、ちょっと自分に自信がなくなったかな」

「そんなことないよ。今日の練習でも見せてくれたじゃない。私たちの中で一番のだよ」

智子の励ましに、聡美は少し気持ちが楽になった。

「私、優勝できるように頑張るよ。智子も一緒に優勝しようね」と智子に抱きつき、シャワー室を後にした。

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