ふたりだけの特別授業

　私は体育の時間になると、決まってある場所へ行く。そこでは彼女が、ピアノを弾きながら出迎えてくれるのだ。
　私――安芸《あき》が東雲《しののめ》のもとに入り浸るようになって、そろそろ一ヶ月が経つ。なにをするわけでもなく二人で過ごす時間が心地いい。
　東雲はキレイだけど、ちょっと変なやつ。そして、たまにちょっと失礼だ。
　これは、そんな彼女と、私の話。