母なる海の底は酷く冷たい

読んだ時に思ったのは、まるで深海のそこで静かに生きる深海魚でした。
母なる海が産んだものなのに、底から上がる事もできず、ただ母の中で生きるしか無かった。
少しでも這い出でようとすれば、海の構造で苦しめられるようなそんな。

彼女にとって、そこで生きるのが当たり前で、そこを海の波に攫われて、波打ち際にまで出されようとしたら、必死に抵抗するか、死なばもろともか。
何とも悲しくて、海の冷たさを感じるお話でした。