肩肘張らずに読める『戯作』でげす。

希代の戯作作家馬琴ちゃんこと滝沢馬琴と、世界に名だたる絵師北斎さんこと葛飾北斎の、若かりし頃の切っても切れない縁のお話です。

コンビを組んだ黄表紙は大人気、でも癖強めのふたりが大人しく共同作業に勤しむはずもなく。プイっと離れちゃあすぐにおまんまの食い上げ、やっぱりとくっつけばマッチの頭薬と側薬のようにアッという間に大炎上。そのバイタリティはどっから湧くんかいな、というほどさかんにやり合いますが、お互いどこかで相手の天才を認めているという、何とも不思議な関係です。

海石榴さまの軽妙な語り口はまさに戯作。面白いです。

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