母像
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嗚呼煩い
ぎゃあぎゃあと鳴き喚くでないよ
アンタ自分が
黙りな煩い・・・
母親は厳しい人だった
いや正しくは義母であろうか
私は本当の母親と言うものを知らない
母親は私を産んで亡くなってしまった
美しい人だったようだ
父親にはお前とよく似た顔立ちだと聞いた
とても優しく寛大な心を持っていて
私からすればそんな人間はいないと思っていたのだが
他の家庭が羨ましかった
両親に恵まれていて
他家庭からは私が恵まれていて羨ましいと言われていたが
私は愛情が欲しかったのだ
母も父も私には無関心で
家にいることはほぼなかった
広く閑散とした石の塊の中で
私は孤独と戦っていたのだ
Ⅱ
さるにしても私は存外その時期を謳歌していたようで
まあ若気の至りと言うものですよ
今となってはもう昔の事ですが
愛情なぞというものは感じなくなりましたさ
肌から伝わる熱を感じながら
眠りに落ちる
そんな毎日を送っているものですよ
いや死ぬための仙道を歩んでいるとでも
言っていいのではないでしょうか
まああなたは知る由もないでしょう
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