ある浜辺に来ていた

波は音をたてず

ゆっくり浜辺に打ち上がっている

少し湿った砂浜

歩く度に残る足跡

私の生きている証を

残しているようだった


生きる意味を探していた

浜辺に座っていても

波打ち際に佇んでいても

私は結局何もわからなかった

寧ろ人生に飽き飽きするのだ

このつまらない人生に


芸術などと言うものは

私たちの人生に溢れている

それでも見られるのは

ひと握りだけなのだ

どれだけ筆を握ろうが

私はそこに沈みいるなど

出来はしなかったのだ


私が立っていたあの

音のない漣が立っていた

あの浜辺は

もうここに面影すらない

私は白い石灰の上に立ち

ただ呆然と

昔見た景色を思い出すのだった…

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