紫陽花
むさ苦しく汗が止まらない季節
梅雨のときは皆不機嫌そうで
まるで紫陽花を見ているようだった
「紫陽花には毒がある」
あれだけ美しく咲き誇る花も
裏を返せば毒がある
この季節は不機嫌になる季節だ
皆毒舌で愚痴ばっかり口に出す
表は善良な人間でも裏を返せば毒がある
私は幾万とそんな経験をしてきた
もうこの世の何も信じることができないくらいに
可笑しいと嘲笑う奴もいるだろう
幾万なんてとほざく輩もいるだろう
お前らに何がわかる
毒しか吐いていない貴様らに
夏が終われば秋が来る
秋が終われば冬が来る
そんな経験を衣替えみたいに
自分の裏表を変えて
お前の本当の自分は何なんだ
紫陽花はいいよ
口がないんだから
毒を持っていても攻撃力はないんだ
美しく咲き誇ってくれてさえいればいい
私の生涯において
美しく咲き誇れることなんてなかったがな
むさ苦しく汗が止まらない季節
梅雨のときは皆不機嫌そうで
まるで紫陽花を見ているようだった
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