沿うて滴る

貴女の御顔を

ながるる雫は

時には冷たい汗となって

縁になぞって

溢れ行く

汗ばむ季節のになったなら

貴女は知りもしないだろうが

私はほんのりおもむきを感じる

色艶を感じる貴女の表情が

わたしを高揚感に襲わせる

嗚呼なんということでしょう

私は気づいてしまったのです

貴女を纏う

その艶やかなヴェールは

いつかは消えてしまうとわかっていても

引き離してしまいたくなるような

このなんとも言えない感情を

一体どう表せばいいのか

いつまでたっても

思いつくことができず

貴女に沿うて滴る雫を

じっと眺めるしか

するべきことが

見つからなかったのです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る