第11話 嗜好。

由美子は僕の次の日入院してきたそうだ。ベッドで横になり、彼女とどんな話しをしようか考えていた。次の日、昼食が終わり、歯を磨いた後の時間に彼女はソファに座りながら、TVを見ていた。僕は昨日と同じ彼女の横の横に座り、中央のホールに二台向かい合っている、音量が均一ではないTVをなんとなく見ていた。そして、静かにゆっくりと好きな音楽と本と映画を聞いた。そしたらすごい恥ずかしそうに、YUIのCHE.R.RYとHUNTER✕HUNTER、スラムダンク、NANAとMr.&Mrs.スミスということを会話のなかで教えてくれた。「あなたは?」という質問が案の定無かったので、僕は米津玄師と呪術廻戦とクリストファー・ノーランドということを紹介した。「センスがお上手で」と由美子は言い、僕は、はっは〜んと目立たない程度の八重歯を出しながらすごく笑った。そしてこの子の性器にGスポットがあることを知っていた。相変わらず赤い服が好きげな、静かな女性で恥ずかしがりやだ。しかし、足には自信があると見た。夕食後の薬の副作用が効いてきて、目のピントが合わなくなってきたので、蜘蛛男にバイバイと言った。「楽しんでくれたげで良かったです」と満足そうに言い、僕は消えた。

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