しばらく暇しないかも
お隣の国々で、何やら不穏な動きがあるらしいですね。我が国とは特別親しくも険悪でもない関係ですが、全くこちらに影響なし、とはいかないでしょう。勘弁してほしいものです。
噂自体は前々から流れていましたが、一応人目につく場なので、その手の話題は避けていました。
しかし、今回日報でも報じるらしいので、ならもういいやということで、今日はそんなことについて書いていこうと思います。
とは言っても、外交やら戦争やらについて詳しいわけではないので、またまた魔術の話になるのですが。
ここ十数年、魔術は各国で大きな発展を遂げました。第二次魔術革命と呼ぶ人もいるぐらいです(あまり浸透していませんが)。
もし近々、国家間の争いが起こるのだとすれば、今まで以上に、魔術の存在が大きく影響することになるでしょう。すると、我々魔術師には、考えられる心配事が山のようにあるのです。
分かりやすいところで言うと、まず悪魔の大量発生でしょうね。国が後先考えて魔術の使用を自重してくれればいいのですが、あまり期待できない。
その国内で被害が収まる分にはまだマシですが、実際はそうもいかないでしょうし。漏れ出たり、見逃されたりした悪魔が、こちらへ流れてくることだって十分考えられます。
特に問題なのが、国境付近が悪魔の発生座標を制限する装置の範囲外である可能性です。国境付近まで気を配っている国は少ないですし。
さすがにダーテルよろしく街中で悪魔発生ってことはないにしても、想定外の場所に悪魔が出現することは、まあまあありえる。
他にも、大きな魔素の変動は、魔物を活性化させたり、逆に大人しくしたりしますし、そこから生態系のバランスが崩れることもあります。
さらに、魔術の行使が気候へ影響を与えることも最近分かってきましたし、自然環境の変化がバカになりません。
また、大量の悪魔や活性化した強力な魔物から逃れて、多くの魔物が流れて来れば、それだけで大変なことです。騎士隊や冒険者ギルドがパンクしかねません。
悪戯に不安を煽るようなことは書きたくないのですが(編集者さんにも怒られてしまいます)、今回はちょっとまずいなと思うので、書いてみました。皆さんもできる範囲で十分に備えておいてください。
普段はお気楽者ばかりの冒険者ギルドでさえ、最近はピリついた空気です。お気楽筆頭の冒険者ギルドマスターが緊張感を隠しきれていないので、そのせいでしょうね。
そういえば、以前にも冒険者ギルドが静かになっていたときがありましたね。ギルドマスターの浮気がバレて奥さんに怒られていたとき。何故かギルド全体が葬式のように静まり返っていました。良くも悪くも、影響力の強い人です。
(エスメラ)
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