神の滴らせし宿命の遊戯を、人共よ、受けて立て。

国と国との間に、戦争が起きた。
それは、望む者が望まぬ者の隙をついて始めた、あってはならぬ戦いだった。

ーーしかし、これを皮切りに、いくつもの宿命の恋が動き出す。

戦記としてはじまる、真っ当かつ硬派な書き出しは、やがて登場人物たちの人生と人格を浮き彫りにしてゆく。
炎を越えて接敵した戦魔と大鴉は、その戦いのはじまりと終結の最中でその運命を寄り合わせてゆく。
そして、守るべき命が散らされたその時――戦魔は敵として向かい合った大鴉に向けて手を伸ばしていた。

戦争というものは、人が起こすものであり、これを終息させるためにもまた人の手の介入が必要となる。
その時、各地で、誰かが誰かと出会い、誰かを求め、また誰かを奪うという流れが生まれる。

この世界は、大きく繋がっている。
国境があろうと、同じ空の元に生きているからだ。
そうして彼等は出会い、失い、間違え、おそらく、


ーーやり直す。


さあ、ようこそこの物語へ。
わたしなら、まずはエクスロスとオルキデへご案内したいところです。