第100話 ロイヤルファミリー

 さて、ムネモシュネー様のお供えを準備しますか、先ずはホットケーキとアイスクリンだったな・・・


 よし・・・これで人数分のいや柱数分の用意が出来たぞ、確か何でも良いから品物を神様と見立てて御祈りすればいいと聞いたな・・・この銀鉱石で良いかな

ジイン 「女神ムネモシュネー様、御所望の品をお供え致します、どうぞ御笑納下さい」

  バッシュュュゥゥゥン!

 瞬く間にお供えは消えたと同時に聖典が淡い光を放った。

聖典を捲ると『待っておったぞ、他の神々の分も供えるとは流石は妾が加護を授けただけある、深謀遠慮をめぐらせるのは善い心掛けじゃ・・・それから新しいスイーツを作ったらまず妾が一番じゃぞ、良いなジインよ』

 (ムネモシュネー様、リクエストの次は予約リザーブを仰ってたが・・・なるほど、それで僕以外は誰も読めなかった記憶の羊皮紙を下賜されてスイーツを作り献上しなさいと・・・道理でレシピが多いわけだ・・・)


 そんな事を考えている内にどうやら着替えが終わったみたいで扉から三人が出てきた姿を見て僕は思わず「おおっ」と声を漏らしてしまった、先刻までと王族衣裳を纏った今ではまるで雰囲気オーラが違う・・・国王様は錫杖を手にマントを羽織った姿が威厳に満ち溢れ、王妃様は鉄扇で口元を隠しながら悠然と立つ姿は正に貴婦人、そしてルーラーはドレスが着慣れていないのか王妃様の後ろで落ち着かない様子・・・

 おっと見とれて突っ立っている場合じゃない慌てて片膝を突きこうべを垂れた。


国王  『良い良いジイン殿、畏まることはない』

王妃  『そうですわ、あなたは娘を助けていただいた恩人なのですから』

ジイン 「いえいえ恩人だなんて大袈裟ですよ」

ルーラー『ジインさん、そんな謙遜なさらないで下さい』

 

 ルーラーはジインの両手をギュッと握り締めた・・・

ジイン 「ルーラー・・・」

ルーラー『ジインさん・・・』

 

シャヤ 「はいはーい、二人だけの世界に入らないでね」

ジイン 「うわっ!」

ルーラー『きゃっ!』


シャヤ 「まったく、油断も隙もない・・・」

フロウ 「シャヤもそんなプリプリしないで」


アボス 「それで二人ともいつまで抱き合っているんだ?」

  「えっ」 『あっ』

 ジインとルーラーは慌ててお互いの身体を離した。


ジイン 「そっ、そうだ!待っている間に簡単なお菓子を作ったんです、みんなで食べましょう!」

シャヤ 「あっ、誤魔化した」

ルーラー『まあまあまあ、ささっ皆さん座りましょう』

アボス 「なら俺はコーヒーと紅茶を用意するとしよう」


    ~~暫し御歓談中~~

   「『ごちそうさまでした』」

ジイン 「はい、お粗末さまでした」


アボス 「さて、これからについてだが・・・先ず国王様方はグレゴイシス大司教に囚われていた貴族一家ロイヤルファミリーという事で進めますが宜しいですか?」

国王  『無論私達には異存はない、迷惑をかけるが宜しくお願いしたい』

 その後に一行は前線基地で小休止を入れてから出発した。

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お人好し傭兵の迷宮探索 ハナブサ @hanabusa4846

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