第99話 神託

 一行は地下三階を上がり前線基地へ戻る一本道に差し掛かった所で突如、ポウッと聖典が淡い光を放った。


ジイン 「これは・・・ムネモシュネー様からの神託だ、なになに・・・妾もほっとけーきとあいすくりんが食べたい、お供えを所望するのじゃ・・・それから、その先の部屋に妾と他の神からの贈り物を用意しておる、せいぜい有効に使うが良い・・・それからお供えは早急さっきゅうに頼むぞえ、では待っておるぞ」

 ジインはまぶたを指で押さえながら聖典をパタンと閉じた・・・

アボス 「どうしたジイン?、神託で何か不都合なことでも書いてあったのか?」

ジイン 「いえ・・・ただ神託でリクエストをされるとは思わなかったので、少し面食らっただけです、それよりも皆さん、この先の部屋に僕達が加護を授かった神々から贈り物があるそうですよ」

フロウ 「確かそこはルーラーが囚われていた部屋だったわね、とにかく行ってみましょう」


 一行が部屋に入るとそこには金銀財宝や鉱石に装飾品が山のように積まれていた。

  

アボス 「いやはや、なんというか・・・壮観だな」

シャヤ 「・・・お宝がザックザク・・・」

フロウ 「もし、国宝級があれば大変な事になるぞ・・・」

ジイン 「これは申し訳ないけど次元家屋でお休みの国王様達にも協力をお願いしましょう」


 ~~~~~~~~~~~~~

国王  『こ、これは凄まじい・・・』

王妃  『あなた、圧倒されている場合ではありませんよ、先ずは種類別に分けていかないと、それから・・・』


ジイン 「なんか王妃様・・・生き生きしてるね」

ルーラー『お母様は片付け、掃除が得意なんです』

王妃  『ルーラー、あなたも手伝いなさい』

ルーラー『あっはい、お母様』


 こうして王妃様の手腕により僅かの時間で仕分けられた金銀財宝を収納ストレージへ区分けしながら納めていく、こうすれば取り出す時に苦労しないからな、しかし問題はここからだ、やはりというかとんでもない代物が見つかった。


国王  『まさかを再びこの目で見ることが出来ようとは・・・』

国王  『この錫杖しゃくじょうに王冠も非常に高貴な品ですわ』

ルーラー『お母様、このマントにドレス、ヒールもです』


ジイン 「えー、そちらの王族衣裳一式は精霊王アレイア様からで、他の神々からは・・・」


 (一覧)

精霊王アレイア   ・・・王族衣裳一式

霊鳥ガルーダ    ・・・宝石類

魔術神ヘカテー   ・・・魔術媒体品

商神ヘルメース   ・・・金貨、銀貨、金塊、銀塊

戦神アテーナー   ・・・装飾品

医薬神アスクレピオス・・・医薬品

迷宮神ルドス    ・・・極魔水晶、迷宮鉱石類

女神ムネモシュネー ・・・記憶の羊皮紙


アボス 「そうだ、せっかく衣裳を賜ったのですから、国王様達はお着替えなさってはどうですか?」

ジイン 「その間に僕とハクブは神様へのお供えを準備しますので、女性陣は王妃様とルーラー王女を、アボスさんは国王様をお願いします」


国王  『すまないね、何から何まで・・・』

王妃  『娘共々、本当にお世話になります』  

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