春は青空の下で輝く

北京道(ほっきょうどう)、札立市(ふりつし)の自然が程々に豊かな土地に建てられた井野福中学校。
二年A組の幸薄(こはく)は学校の授業が終わっても、帰らずにいた。
教室に居残って何をするかというと、読書だ。
他の生徒が次々と教室から姿を消していく中、小説を読みふける。
すると、幸薄以外居なくなった教室に一人の男子生徒が戻ってきた。
愛鬼(あき)君は忘れ物を取りに来たわけでもなく、幸薄に声をかけていく。
読書に集中したいと思いつつも少し世間話を続けていると、愛鬼君が幸薄の髪をクシでとかしてくれるという。
なぜそんなことをするのか訊く暇もなく、幸薄は髪を彼にとかされていく。

髪をとかされながら読書を終え、幸薄は帰ろうとすると、愛鬼君も一緒に教室を出てくる。
そして二階から一階に移動するために階段…続きを読む