記憶を失った女性が、過去を探して現在に導く物語。

記憶を失っても揺るがない現実がある。
断片的な悲しい記憶を少しずつ掘り起こしていく主人公が、喫茶店に集まる人と感情を触れ合わせていく愛の物語。
記憶と真相は誰の胸に置かれていて、行き着く先には悲哀と希望のどちらが待っているのか。


哀しい雰囲気を全体に纏いながらも、登場人物の冗談や軽口の表現方法が卓越していますので、小気味よく物語を拝読できます。
真相を早く知りたくなり、読み始めれば手が止まらなくなるはずです。

本作品のように、一人の心を守るため多くの人が協力して、生まれていく絆は非常に美しいものですから、現実においても多くの人が幸せになれることを願います。


本作品に出会えてよかったです。

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