人の心は今も昔も変わらない。古代日本を舞台にした、愛憎と救いの物語。

本作は、「あらたまの恋 ぬばたまの夢 〜未玉之戀 烏玉乃夢〜」に登場するキャラクター達の前日譚です。

物語の舞台は奈良時代。
あるところに、貴い身分に生まれついた腹違いの兄弟がいました。
愛のない父、兄弟の確執、そしてとある女性との出会い。
複雑な環境下で暮らしつつ、彼らは愛と憎しみの渦に巻き込まれていきます……。

シリーズ通して本作の魅力は様々ありますが、何と言っても、読みやすい文体にもかかわらず本格的な古代の空気を味わえるという点と、深く深く描きこまれた人の心の機微を味わえる点だと思います。
読み始めると、皆に感情移入してしまい、ページを捲る手が止まらなくなるのです!

本作だけをお読みいただいても、その魅力は充分に堪能できるはず。

シリーズの他作品をご存じの方もそうでない方も、ぜひ本作をお読みいただきたいです!

その他のおすすめレビュー

平本りこさんの他のおすすめレビュー531