変えろ! 恐怖による支配を。悲しき運命を。

神社がキメラを作り、その力によって国を恐怖により統治している世界。
しかしそんな中にも、それに立ち向かおうとするレジスタンスがありました。そして、キメラでありながらキメラと戦う、八彩という少年がいました。

レジスタンスや八彩が神社と戦うというのが、本作の基本的な作りとなっているのですが、特徴のひとつが、作品全体から放たれているディストピア感。

恐怖による統治というだけでもろくなものではありませんが、敵の主力であるキメラもただ恐ろしいだけの怪物というわけでなく、どこか悲しい運命が見え隠れ。
レジスタンスのメンバーは容赦なくボロボロになっていきますし、勝利はしても、失うものも大きい。

ですがそんな過酷な状況だからこそ、それでも懸命に戦う面々の力強さに心が震え、この世界をなんとか変えてほしい。そしてできれば、一人でも多く生き残ってほしいと、ハラハラしながら読み進めることができました。

辛く苦しい戦いの先に、勝利は、平和は、そして笑顔は待っているのか。
どうか、祈りながら読み進めていってください。

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