番外抄 〜社を失って消えゆく激怖女妖狐と生を終わらせたい少女の百合〜

ウスキヌ様と泣虫少女

〜社を失って消えゆく激怖女妖狐と生を終わらせたい少女の百合〜



拙を呼んだのはおぬしか

ずいぶんと生気のない少女じゃな。贄にもならぬ


じぶんを守るために、恐怖を生み、

ありもしないことに怯えて、諍いを繰りかえす人間よ


意趣返しが願いか?

代償として其方の命をいただこう


何故に泣いている少女よ

与えられた恐怖を、敵や無関係な者に返すのが其方の望みであろう?


誰も傷つけずに己の生を終わらせたいと言うか

そんなことができると思うてか?


知っておるか少女よ

己の生に満足しておらぬものが自ら命を絶っても往けぬことを


その後は、

仲間に捨てられ、心身に呪詛を負い、ひとり孤独に長らえるということを


それでよいか?

拙はそのようなものたちを見てきたが酷いものだぞ


其方も嫌じゃろう?

ではここはひとつ、拙の眷属とならぬか?


行き場がないのじゃろう

拙もそうじゃな、やしろが壊されるまで長くはないがそれまでの縁じゃ

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