9抄 〜旅立った大好きな親友の残滓に別れをつげる百合〜

そらはこんなにきれいなのに

〜旅立った大好きな親友の残滓に別れをつげる百合〜



あるこうか


となりあるく、少女

ゆうやけわかれ、さようなら


ながいようで、みじかくて

西日てらす、随想のコントラスト


あぐねた告白、別れつたえて

つないだ手、晩夏のかぜに解かせて


藍まじる、夕暮のくも

おなじ景色にふたりならんだ影法師


いのちつきて、みえたもの

みあげた場所は、はるかとおく


それと、ちかくのきみのかお

河原に咲いた花、しおれそうに


わかれ、つらいと

うつむき耐えて、そらあおぎ


はてしない夕空は、ただきれいで


せせらぎと、帰路いそぐ雑踏


もうわたし、となりにいない


だから、手、おろしていいよ


なつのおもいで、わすれない


町のむこうに日は暮れて


のこる面影、かぜに舞い


そいとげる

やくそくまもった君の影


わすれない

きみがいたあの日々を

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