13抄 〜名探偵の女性がガサツな助手に難解かつ明快な恋心を抱く百合〜

謎解きゲーム

〜名探偵の女性がガサツな助手に難解かつ明快な恋心を抱く百合〜



ここは、どこ。恐らくは英国だ。

遠い時代の、町はずれ。距離は近くも、心はすれ違う。


まち往く馬車、キセルの煙。助手はペンを噛み手帳を睨む。

過去を映すように、ほとばしる光景。誰かが立っていた、ここは交差点。


私には、みえる。

ミステリアス? これはトリックでもなんでもない。


だが、おもしろい。

謎解きは、いい暇つぶしになる。


わたしを止められそう?

嘘のロジックは見えてきたかい?


ちがうちがう、ちがう。

この世に嘘は存在しない。ただ正直に謀るだけ。


それがわたしへの返答か。

実につまらんよ。


うなされてるけど大丈夫?


ああ、問題ない。


事件の顛末がもうすこしで明らかになる。

けれど、わたしの心に何が起きたかは誰一人として解せないだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る