16抄 〜路地裏に芽吹いた花と少女の百合〜

キツネバナ

〜路地裏に芽吹いた花と少女の百合〜



路地裏に芽吹いた夏の花

傷だらけで雑踏をゆく君に出会った


泣いてばかりの君を守るよ

嫌われて当然の私をキレイだと言ってくれた


だけどもう君はいない

キツネバナ 毒があることだって知ってたでしょう


どうして君は私を好きでいてくれたの

わたしバカだよね


永遠の命だと勘違いして

ひとりぼっち思い出の色に枯れていく



ベランダに揺れる夏の朝

何気ない休日だけど毎日が楽しいから


愛してくれた君を愛してるの

どんな君も眩しくて 大好きだったから


でもね もう私は長くない

キツネバナ 葉が散ったらもっとキレイな花が咲くよ


どうか私が散るまで好きでいて

わたしバカだよね


また逢えると言ってよ

ひとりぼっち暗い部屋に落ちるまで

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