都市国家って響き、何だかワクワクしませんか?

舞台は古代ギリシャ。都市国家が乱立し、対立していた時代。

前作に引き続き、ライトユーザーでも楽しめる軽快な文章はそのままに、構成は文芸作品に近い硬派なストーリーとなっています。
物語は緻密に練られており、さりげなく伏線をばらまきつつ、常に読者の想像を一枚も二枚も上回ってくれます。
当作品は前作「ギリシャ物語」の続編にあたりますので、できれば前作の方から先に読んで頂きたいところではあります。独立した群像劇のため第二部から入っても十分楽しめるのですが、それでもやはり「ギリシャ物語」を先に読んで頂いた方が、何倍も楽しめると思います。

前作の舞台はスパルタでしたが、今作の舞台はスパルタを破った敵国テバイとなります。
不慣れな敵国の地――テバイにおいて、孤立無援の状況からスタートという、なかなかホットな立ち上がりを見せます。それゆえ、ハラハラドキドキの連続です。一体どうなってしまうのか。目が離せません。

登場人物たちが本当に生きているかのように動きますから、自然と感情移入の度合いも強まろうというもの。
特に、敗戦と同時に多くの仲間を失ったアフロディア姫を思うと……って、あれ? 思い出しただけで目から熱いものが。

と、このように。
現在、私が一番ハマっている小説です。そうですね。例えるなら、祖国をスパルタと勘違いするぐらいにはどっぷりと。

最後に「ギリシャ物語」における豆知識を一つ。
「スパルタの飯は文字通り、死ぬほど不味い! しかも飲酒は禁止!」
何を楽しみに生きていけばいいんだ。ああ、そうか。だからスパルタ人は死をも恐れないのか。

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