自分たちはラッキーだったけれど、その裏ではアンラッキーな人たちもいるKAC以前からの物語「プギーの憂鬱」を使って、KACのお題に挑戦、連作とされています「食糧難の世界で、知恵と二足歩行を得たかつての家畜たちも人間はまた食べようとしている」そんな世界のお話ですそれから逃れようとしているのがプギー一家です背景を知り、連作を追うと、作者さまの軽快な筆致、関西弁の登場人物たちのにぎやかさ、それとは真逆の「寓意」にもきっと気付かされるでしょう今回ははっきり、それがあらわれているお話でした
ぜひ『プギーの憂鬱』から読んでいただきたいです。どこにでもいる少年プギーとその家族の身に起きた悲劇。欲望のために命を奪う人間の愚かさが童話的なやわらかいスタイルで語られます。少年の目を通して描かれる理不尽な世界に、戦慄せずにはいられません。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(86文字)
もっと見る