これぞ!

 現代版『百物語』に収録したくなる傑作。人によっては頭に恐怖が焼きつけられるかもしれない。

 恐怖とはそもそも人間の本能に強く根ざしたものだが、本作の幽霊は簡潔な分まさに本能に訴えかける。ごく世俗的な形でそれを利用(!)する主人公に至っては。

 必読本作。