【KAC20232】 クマゴロウ

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（68文字）

下東良雄という作家は、心優しい方だ。社会にはびこる不平等や、個人の抱える苦しみを自分のことのように思い、心を痛めている。

その作家が今回は、子供の心に寄り添う。子供にとって親とは何なのか。どんな思いを抱いているのか。それを淡々と教えてくれる。

　この小説が、同じような境遇の子を救う手助けになればいいと私は思う。

短い物語の中に、見逃してはいけない大切なものが詰まっています。

短編なので内容が書けませんが、とても身近な社会問題で、
もしかしたら、
自分も見て見ぬふりをしているかも知れない、と思わず考えさせられました。

自分にも何か出来ることはないか、そんな風に思い直すきっかけをくれる物語です。
ぜひ読んでみてください。

作品の概要に「センシティブな内容」と書いてありますが、直接的な表現はありませんので安心して読んでください。

少女が健気にクマゴロウと一緒に母親を待っているだけのお話です。
ただ、その背景には残酷な事実が隠されています。



作者様はただ「お話しにする」だけでは無く。
「実際に起こっている事」として、読者に訴えて考える機会を与えてくれます。
考える為のヒントになる情報も添えている所に下東様の真摯な姿勢が伺えて尊敬をしています。


ぜひ、本編の『コンプレックス』も読んでみてください！
きっと読者様に為になる物が有ると思います。