CIA工作員グレンと、〈穴蔵破り〉こと強盗団のフェリクス。
二人の父親が、ミアという少女を巡って対立する物語。
文章力とストーリー構成は折り紙付き。
本作でおすすめしたいのは、登場人物たちの心の機微の描き方です。
ある事件により記憶喪失となった少女、ミアを育てるフェリクス。
犯罪者でありながら血の繋がらないミアを育てる男。
その不器用ながらもまっすぐな愛情を注ぐ姿。
記憶喪失となるも天真爛漫に育ったミア。
その屈託ないミアを見れば、フェリクスの愛情もわかります。
育ての親であるフェリクスや周囲の人物への朗らかな態度は見ていて楽しい。
ミアがフェリクスに向ける親愛の笑顔が意味するもの。
ミアの実父であるグレンは、事件以後も諦めずに娘の存在を捜索している。
職務に忠実で質実剛健なグレンは、家庭ではやさしい父親。
グレンが追い求めた娘と再会したとき、どのような感情を抱くのか。
豊かな語彙で丁寧に人物の心情が描かれていて共感しやすい。
安らぎや悲しみ、困惑や怒りなど色んな心の表情を見せてくれる人物たちの物語を見届けてほしい作品です。
ホテルの爆破事件に巻き込まれ、娘を失ってしまったCIA工作員のグレン。
惨劇の現場から遺体は見つからず、その死を受け入れられぬまま、無情にも十年の歳月が流れてしまった。
しかし、娘は生きていた。
犯罪者のフェリクスに保護されて、チームの一員として訓練を受け爆弾を扱えるように成長していた。
よかった、見つかった。さぁパパと帰ろう。
これが、そんな簡単にはいかない話だということに、あなたはまもなく気が付くだろう。
グレンが失った娘との10年は、そのままフェリクスと積み重ねた10年なのだ。
細密かつド派手なアクションと、クールでチャーミングな会話劇が光る、洋画ライクな読み心地の作品だ。
少女ミアは、どこで誰とどうやって生きていくのが幸せなのか。
痛いほど切ない運命を、共に見守ろう。
本作は「娘を失ったCIA職員」と「灰色ウサギの怪盗」が、同じ少女をめぐって交差していく"ハード寄りの家族×クライム・サスペンス"です。爆破事件で消えた娘の生存を信じる父と、少女を「ミア」と呼んで守り抜くウサギ頭――この二つの視点が、交差するストーリーです。
主人公格は二人います。
ひとりはCIAのグレン。ホテル爆破で亡くしたはずの娘・花澄(カスミ)が、灰色ウサギのマスクの男と一緒にいる映像を見つけ、真相を追い始めます。
もうひとりは、裏社会で「穴蔵破り」と呼ばれる怪盗フェリクス。少女ミアと暮らし、次の大仕事へ動き出します。
面白さの入口は、「この少女は本当にカスミなのか」「ウサギは誘拐犯なのか保護者なのか」「父は取り戻せるのか」という三つ巴の疑問が、ずっと背中を押してくる点です。
グレンは"喪失と執念"で、見つけた手がかりをひとつずつ詰めていき、フェリクスはミアとの距離が近い分、読者の感情を揺さぶってきます。
ミアは単なる「守られる子」ではなく、作戦にも関わり、しかも不思議な力(本人は"妖精さん"と呼ぶ導き)まで匂わせます。
ここが、ただの強盗劇で終わらない推進力になっています。
グレンとフェリクス。
二人の心情が、その背景と共に語られるため、非常に感情移入してしまいます。
灰色ウサギは"奪った側"なのか、それとも"救った側"なのか。
ミアが見ている"妖精さん"は、彼女をどこに導くのか。
果たして、グレンは花澄を取り戻せるのか。
是非、複雑に交差する感情の波を浴びてください。
舞台はアメリカ、ヒューストン。
物語は主に二人の男の視点で紡がれます。
一人は行方不明の娘を捜し続けてきたCIA工作員のグレン。
もう一人は記憶を失った少女を引き取って育ててきたアウトローのフェリクス。
腕利きの男二人がいま、激突する……!!
本作は固有名詞を巧みに使用しており、アメリカンな雰囲気がしっかりと味わえます。
CIAとアウトローの描写も本格的で、戦闘描写には臨場感があり、クライム・アクション映画を観ているようなワクワク感があります。
主要キャラのグレンとフェリクス、どちらも応援したくなります。
そんな彼らが激突するとき、その中心にいるのは二人にとっての愛娘。
彼女が何を感じ、どう動くのか……ぜひその目で確かめてみてください!!
自信をもってお勧め致します。
少し、語弊はありますがドラマ「24 -TWENTY FOUR-」が好きな人は是非読んで下さい!
この作品は、緻密で的確、綿密で詳細、大胆で斬新、可愛く優しく、温かく穏やか、厳しく冷静、そして驚嘆、「欲しいものが全部」入っている物語です。
あまりに素晴らしいクライム・アクション・ヒューマンドラマです。
例にも出しましたが「24~」、海外ドラマや映画というのは、ものすごく脚本が作り込まれています。日本の優良なドラマが文芸的な「味」を求めるのに対し、海外ドラマは「正確」さを求めます。
脚本は面白くて当たり前、その上でより「リアル」さを追求するのです。この傾向は古いですが「クロサワ」という世界観が、「なぜ海外でウケるのか」を理解して貰えるかと思います。そしてその後、日本作品が海外のメジャーな舞台ではアニメしか立てない、そんな現状の理由です。
◇「面白さ」の上に「正確なリアル」が存在する事。
それは人間のちょっとした機微とか行動をどこまで正確に表現しているか、脚本が示し演技にもそれらが求められます。海外では良い作品ほど「リアル」さを細かく場面ごとに何度もディスカッションします。
さて、本作です。
先に書きましたが「欲しいものが全部」入っています。
その筆致はとても心地よく「正確でリアル」です。筆者様の超高度な技量で、通常では文章化しにくい、もしくはしても破綻してしまう場面を、軽々と見事に書き上げられています。
驚異です。
だから、お勧め致します。僕はこの作品が読者選考で落ちてしまうとか、そんな悪夢は見たくないです。正当な評価をして貰う為、多くの皆様に、そして多くの読み専さんに読んでもらいたいのです。
このレビューがTOPページで表示される僅か数十秒の間、どうかより多くの読者様のご興味を引く事を、心より願います。
絶対にお勧めです、後悔させません( ;∀;)
10年前、ひとつの爆弾が、二人の男と一人の少女の運命を狂わせた────。
CIA工作員のグレンは、休暇で5歳の娘とホテルにいた。無情にも、爆弾魔ボマーによって、そのホテルは爆破。
グレンは生き延びたものの、5歳の娘は……。生死不明となる。
娘の片方の靴が現場には残され、いくつかの身元不明の遺体のなかに、娘が含まれていたかはわからない。
グレンは、10年たっても、ずっと、娘がどこかで生きているのではないかと探し続けていた。
一方、裏社会で生きる男、フェリクスは、爆発に巻き込まれた5歳の見知らぬ女の子を、連れ帰り育てることにする。女の子は記憶喪失で、育てられるうちにフェリクスによく懐き、また、裏社会で生きる人物らしい危険さも持ち合わせていた。
15歳になったその少女の名前は、ミア。
グレン、フェリクス、ミア。
生死不明の娘を執念で探し続ける男と、自分の娘ではないが、少女を慈しみ育てた男と、自分の運命を知らない少女。
三人の運命が、ヒューストンの地で交差する!
ミアが真実を知る時は来るのか?
その時ミアは……?
本格的なアメリカの描写、CIAとしてのアクション、まるでハリウッドの実写映画を見ているかのようです!
読み応えたっぷりのクライム・アクション。
なんと完結保証です。
さあ皆様、ぜひ、ご覧くださいませ。