第10回 “強揉み”のマッサージを受けるために惑星ベジータに行くのか、という話
【質問】強いマッサージってやっぱり体によくないんですよね?
このような質問も、よく患者さんからいただきます。
こちらからの回答は一つであります。
【回答】はい、よくないです。
ということになります。
◆強いマッサージを追い求める心理
なぜ強い施術がよくないのか。それについて説明します。
強いマッサージを求めるかたというのは、
・痛ければ痛いほど効く気がする
・痛いのが好き
というお考えなのだと思います。
前者はただの勘違いです。痛くなくても問題ありません。
むしろ強い施術は揉み返し(筋肉痛のようなもの)が起きたり余計に筋肉が硬化したりしますので、肝心の施術効果はマイナスとなります。
「効かせたいのであれば、強すぎるマッサージを避けなければなりません」
ということですね。それを患者さんには説明します。
今ですとインターネットで検索すれば強押しの危険性はいくらでも出てきますし、ご納得はいただけることが多いです。
問題は後者です。
「強いマッサージがとにかく好きです。体に悪くてもよいです。壊してもよいので強くお願いします。むしろ壊してください」
と言われてしまうと、なかなかご納得いただくのは難しくなってしまいます。
◆強いマッサージを追い求めた末路
ただ、強いマッサージを追い求めるかたの末路については、容易に想像できてしまうのです。
施術を受ける目的が治療ではなく単に「強い刺激や痛さ」となってしまうと、以下のような流れになるのではないでしょうか?
もっと痛いほうがいいよなあ。強くして。
↓
そうそう、そのくらい。
↓
うーん、刺激に慣れてきちゃったな。もうちょっと強くできる?
↓
そうそう。そのくらい
↓
うーん、この強さももう効かないね。もっと強く。
↓
んー、この施術者はもう限界か? 他の施術者を当たるか。
↓
おお、強くていいねー。
↓
んー、この強さにも慣れてきちゃったな。もっと強い施術者を探さないと。
これ、キリがなくなります。
残念ながら、痛さは徐々に慣れていってしまいます。筋肉も強い刺激に対抗すべく硬くなってしまい、ほぐれにくくなってしまいます。
なので、痛さを求めることが目的になってしまうとどんどんエスカレートして強押しができる施術者を求めてしまい、適合する施術者がどんどん少なくなってしまいます。
そしてしまいには、揉める人が地球上にいなくなります。
マッサージを受けるためだけに惑星ベジータやナメック星に行けるくらいの財力がある人ならよいのですが、普通の人はそうではないはずです。
マッサージは『快圧』『気持ちいい』『痛気持ちいい』くらいに思う強さがちょうどよく、それで満足できるように意識を変えていくことがよいと思いますよ。
ちなみに私の場合、おそらくそこそこ強く押せるほうだとは思うのです。
が、やはり強すぎは悪いことですので、「フルパワーでお願いします」というご要望をいただいても、そのとおりにフルパワーを出すことはありません。
「全然きかねーよ!」とイライラされてストレスを貯められてしまうと別の害が生じますので、安全な範囲内で強めることはしますけどね!
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