第108話「第三部までの登場人物紹介」
――王国軍
フッサー・フンデル
フンデルの息子。
王国軍の高級士官であったが、ラスタンの内乱の時には領地に逃げ帰っていた。
貴族派閥の巻き返しのため、金毛騎士団を結成。
騎士団一千騎と一万の兵を連れてノルト大要塞に入り、騎士団を全滅させて自身も死亡する。
ディボー・ボヨン
ふとっちょ貴族。
フッサーの取り巻きの子爵家貴族だったが、ノルト大要塞の戦いに巻き込まれて死亡した。
バンクル
アルミリオン伯爵家の若い騎士隊長。
アルミリオン家は、姫将軍ルクレティアの母方の家であり、ルクレティアが女王となってからはバンクルも王女付きの武官となって出世する。
大陸統一戦争の後に騎士の時代は遠く昔のこととなったが、幼き頃より憧れていた『白銀の稲妻』クレイ准将と最後の戦いをともに出来たことを、彼は生涯の誇りとして後世に伝えた。
――帝国軍
パウル・パルサー 准将
新設の第二近衛軍を任されている。
近衛軍とは、必ずしもヴィクトル皇帝の側で守る親衛隊のことではなく名誉的な呼称であるが、最新鋭の装備を持った皇帝直属の部隊である。
功を焦りすぎて、ハルトに敗北して戦死した。
騎士オニール
もともとはフンデル公爵に仕えてきたが、つまらぬ貴族の諍いによってあらぬ罪を着せられて父親が処刑されて家が取り潰される。
見事に復讐を遂げた後は、帝国義勇軍一万をまとめ上げて、軍団長として皇帝ヴィクトルに従って奮戦した。
王都攻略戦では臨時の代将ともなり戦争が終わるまで戦線を支えきり、あと一歩のところまで王国防衛軍を苦しめた。
戦後、ヴィクトルの約束どおり家の再興を許されて将軍に出世し、長らく帝国の将軍として活躍することとなる。
スケイル・カスケード
帝国六将軍の一人。
五十過ぎの顎髭を生やした男で、どこかネズミのようなズルそうな顔のあまり風采の上がらぬ男だが、機を見るに敏であり決して無能ではない。
新しい帝国軍には珍しく貴族出身の将軍。
もともと門閥貴族派の准将だったのだが、皇太子だったヴィクトルの天才を見出すとすぐさま鞍替えして、地味な功績を積み重ねて出世してきた。
皇帝ヴィクトルには、無難な仕事を任せるのには最適の男。悪く言えば小人物でこすっからいと評されている。
スケイル自身も、自らの小器を自覚しており過ぎたる出世だと言っていた。
王都攻略を任され五万の兵を持って囲むも、地雷によってあっけなく戦死する。
スネアー
スケイル将軍の副官。
彼も一応貴族ではあるが、位の低い廷臣であったところをスケイルに見いだされて副官としてくっつく形で准将まで出世している。
文官出身なので、参謀ではなく軍師として参戦していた。
性格は、果断にもなるスケイルとは違い、慎重を通り越してやや臆病である。
補佐官としてはスケイルに買われるほど有能ではあったのだが、自分よりも小器だと上司のスケイルが言う通り、指揮官が務まる器ではなかった。
戦後は、自らが代将として立てた騎士オニールと馬が合い、寄せ集めの混成軍を率いて各地で活躍することとなる。
ドルガン
六将軍の一人。『大熊』とあだ名される猛将。
二メートルを超える巨躯で、伸ばし放題の黒い頬髭はまさに大熊。
猪突猛進な性格のため、『獅子の丘』の決戦でハルトの罠にかかり敗北の原因を作ってしまう。
ディーター
六将軍の一人。
灰色の長い髪とこの世界では珍しい銀縁のメガネから『梟』とあだ名される謀将。
帝国きっての策略家であり、策謀により将軍の地位まで上り詰めた知恵者である。
誰も信じぬ心に空虚を飼っている策士だが、自らの才能を買って自らを苦境よりすくい上げてくれたヴィクトル皇帝にだけは永遠の忠誠を誓っている。
ショーパン
ノルト大要塞の留守を任された司令官。
階級は准将で、役目を果たすことができれば正式な将軍になれると意気込んでいた。
綺羅星のごとき皇帝ヴィクトルの幕下で、ショーパンは実直であるが凡庸であり、大事な局面を任されるには能力不足であった。
ハルトの策略により自らの指揮する一万の軍勢とともに、大要塞の二枚の防壁の崩落に巻き込まれて塵と消える。
ベルモント
シュタイナー将軍の副官。階級は准将。
天才的な上司に対して、実務家としてその覇業を支えるベテラン騎士。
ノルトラインの戦いにおいては、自分の一隊を犠牲としてアルミリオン伯爵家のバンクル隊を引き止めてシュタイナーを先に進ませた。
ベルモントはこの戦いでも死なず、はぐれた兵を集めてシュタイナーを追ったが間に合わずに終戦となった。
ポルトス
ディーター将軍の副官。階級は准将。
陰険な策謀家であるディーターとは対照的に、物事をありのままに受け止める素朴で単純な性格。
それは短所でもあるが、彼の長所でもあり偏見なく物事を観察することができる。
元から工学に興味があったという変わった経歴のため、大砲という新兵器にいち早く習熟する将官となり、帝国軍の砲兵隊を指揮することとなった。
パルス
ヴィクトル皇帝にも信任厚い第一近衛兵団の団長でもあり、ヴェルナー将軍の副官を務める。
階級は准将。
平時には士官学校の校長も務めている帝国切っての理論家。
茶髪に白い物がまじり始めすでに老境の域に達している老将にもかかわらず、新しい知識を求め続けるパルスは近代戦術にも理解の深い優秀な将軍であった。
しかし、軍師ハルトの起こした戦術革命にのめり込むあまり心酔しており、やや過大評価しすぎているところが判断を誤る原因ともなった。
窓際の天才軍師 ~左遷先で楽しようとしたら救国の英雄に祭り上げられました~ 風来山 @huuraisan
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