失われた文明。森と海と人の物語。

文明崩壊後の東京。かつてのテクノロジーは植物に覆われ、科学的な遺物は王宮に管理され、市井の人々は何世紀も遡る前時代的な生活を営んでいる。

浜の少年チリは、両親を亡くし、祖父と二人暮らし。立派に漁をこなし生活を助けていたが、ある時、海の状態を見誤ってしまう。

森の少女シオリカは、遺跡から発見されるロストテクノロジーに興味津々。
ある時、かつて親しく遊んだチリの危機を知る。

少年少女が持てる知恵と勇気を総動員して、自然の脅威に立ち向かっていきます。
荒れ狂う海の描写は圧巻。
立場や環境の違いによる細かな人間模様や、時や状況と共に変化する瑞々しい若者の心理描写も巧みで、登場人物の一人に乗り移ったかのような臨場感と共に、手に汗握る物語を体感することができます。

冒険科学小説に胸躍らせるタイプの方に、特にお勧めです。

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