文明は消え、都市は沈んだ世界。浜と森に生きる少年少女。

はるか未来、東京の中心部が海の底にしずんだ時代。
生き残った人々は、海の恵みに生活を託し、あるいはかすかに残ったかつての技術をほそぼそと探って生活していた。

科学技術の失われた世界で、自然に揉まれつつ懸命にいきる生活。
残された技術を伝え、また活用しようとする試み。
長きにわたる立場の違いや怨恨。

そうした営みがまさに、作中の人々とともに歩むかのように、克明に生き生きと描かれてゆきます。
この世界の人々、中心に描かれる少年と少女はどこへ向かうのか。
ぜひとも見届けたい、と、思わせてくれる作品です。

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