シリアスなテーマと、美少女やSF設定といった華やかな要素が絶妙

 ひきこもりの少年・林本永遠と、突然現れた謎の美少女・瑠璃乃との出会いと、永遠の過去のトラウマを巡るストーリーです。

 まず永遠のひきこもりになった経緯が丁寧に描かれており、主人公への共感を抱かせる導入になっていると思います。いじめや裏切りによる心の傷が生々しく描写され、胸が痛くなるような印象を受けました。

 一方で、唐突に現れた美少女・瑠璃乃が永遠を慕っているようで、二人の今後の関係性の変化に期待が持てます。彼女の明るさが、永遠の心を少しずつ開いていくのかもしれません。

 また、トラベルトレーラーに乗った博士と弥生という謎の人物達も登場し、永遠の脳の特殊性について語られるなど、SF的な要素も絡んできて物語に深みが出ています。彼らの目的や、永遠の秘められた能力とは一体何なのか気になるところです。

 主人公の心情の機微や周囲の状況が丁寧に描写されていて、これからどのように物語が動いていくのかワクワクさせられました。ひきこもりの少年の心の再生というシリアスなテーマと、美少女やSF設定といった華やかな要素のバランスが絶妙で、次の展開が楽しみな作品だと感じました。

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