Web小説はこれだから掘り続けたいと思わせた青春物語

の序章(多分)

 まだ後日談の方は完全に未読だが、キャラクターの感情が解像度高く描かれるボーイミーツガールな青春物語。

 難しいことを考えず読み込めばすんなりと没入できる物語だった。

 初めのうちは淡く、言い換えればお互いに適度と思える距離感を保ち、ゆっくりと日常を進めていく。時折、メインの二人の傷に触れるエピソードが出るけど、そこを大事に、生々しく苦しい描写は有りつつ、最後はいい着地の仕方をする。

 捨てられていた白い子猫をきっかけに二人が出会い、訳あって高校生にして一軒家の主となった主人公佐藤一の家にヒロインの南野千夏が子猫目当てに遊びに行きつつ、お互いの傷や優しさに触れていき、ついには結ばれ、そして彼らが思った以上に温かな人物たちとそれぞれ支え合うストーリー。

 ところどころにヘイトを買うキャラは出てくるけども、そのヘイトがざまあ!!となる場面はわずかであるものの、それすらも気にならないほどに二人の成長や、共に成長、変化する友人、見守る大人たちのいい雰囲気が読んでて温まる。
 また、コメディタッチに描かれる部分もあるが、まさにいい意味でラノベ、という感じで個人的には笑えた。

 久しぶりに文章読んでて泣ける作品に出会えた。

 書籍版と違うところはほぼ無いようだけれども、それでも書籍版を買ってよかったと思う位にはいい作品である。

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