第27話 RINGコラボ配信!第一ゲーム ito! 前編
……
「さて、始まりました。昨日デビューしたファミールの新人達……RINGによるコラボ企画です!」
「「イエーイ!!」」
時刻は19時。
ゆずき先輩の言葉と共に、コラボ配信が始まった。
俺たちは、リハーサルの通りに進めて行く。
『キターーー!!!』
『待ってました!』
『ゆずきちゃんだ!』
『楽しみー』
『もみじちゃん!』
『シズちゃんー!!!』
『レン期待してる!』
おおお…。やっぱコメントの方も盛り上がってるな…。配信前のコメント欄から、すごいなと思ってみてはいたけど、配信が始まるともっと勢いもあってすごい…。
よく見てみると……それぞれへのコメントも見れるし、もしかしたら,、もう推しとかができている人がいるのかもしれないな。ゆずき先輩は絶対いるだろうけど!
「まずは挨拶をしましょうか。まずは私から。今日の配信で、MC・ゲームマスターをする、セカンダルの凍ゆずきです。今日は、RINGの初コラボ、そして2回目の配信ということで、サポートしながら楽しんでいこうと思いますのでよろしくお願いします』
『ゆずきちゃん!』
『やっぱMCといったらだな』
『可愛いよー』
『ゆずきちゃんなんなら安心だね』
わかる…。俺は流れているコメントに共感する。
配信を見ているときからMC上手いなーとは思っていたけど、リハーサルで改めて感じたね。
さすがはゆずき先輩です。
「次に、皆さんからみて左にいって…シズさん」
「はい!昨日ファミールにデビューしたRINGの凪威シズです!まだ2回目の配信ということで、緊張もしていますが…ゆずき先輩、そしてRINGのみんなと一緒に今日は楽しもうと思います。よろしくお願いします!」
『シズちゃーん!』
『頑張れ!』
『やっぱ可愛いな』
『声が好きすぎるんだよな…』
「では、また左にいって…もみじさん」
「はい。同じく、昨日ファミールにデビューしたRINGの和泉もみじです。私も緊張していますけど…、今日のコラボ配信も精一杯頑張って、楽しもうと思いますので、よろしくお願いします!」
『はい、可愛い』
『もみじちゃんマジで可愛いんだよな』
『ゆずき先輩と髪の色も同じだし、少し話し方も似てるから、案外相性良さそうな気がする』
『たまに見せる笑顔……良すぎて死にそう』
ゆずき先輩の振りと共に、シズさん、もみじさんと挨拶をしていく。
次が俺だな…。
リハーサルで何度か挨拶はしたけれど、本番となるとやっぱ緊張する。
「最後に……レン君」
「はい。同じく、昨日ファミールにデビューしたRINGの宇多黒レンです。俺も結構緊張しているんですけど…、折角の機会ですし、ゆずき先輩含めたこの4人で楽しんで……そして、今見てくれているみんなにも楽しんでもらえたらいいなと思います。よろしくお願いします!」
『レン君頑張れ!』
『話し方丁寧になってて草』
『緊張してるな』
『…あれ?…ダジャレは…?』
『楽しませてもらうよ!』
……話し方が丁寧になるのはしょうがないだろ!
先輩もいて、RINGの二人もいるんだし…、流石に初配信みたいな話し方はできないって…。
けど、コメントを見ると、少しおふざけ系のものもあるけれど、色々なコメントが目に入って、少し面白いし、頑張ろうという気持ちにもなる。
ただ……ダジャレ系のものに関しては、目に入れないようにしようかな…。
「今日はこの4人で、ゲームだったり、クイズだったり…色々なことをやっていきますのでよろしくお願いします」
「「よろしくお願いします!」」
『楽しむぞー!』
『絶対面白い』
『明日仕事なの忘れるぐらい楽しみながら見ます』
『ゆずき先輩との絡みも楽しみ』
『RINGの3人のコラボも楽しみだ!』
…みんなの楽しみ具合がコメントを見て伝わる。
ちょっとプレッシャーがあるけど……俺も楽しもう…!初めてのコラボだしな。
「では、早速、第一ゲームの方に行きましょうか。
今からやる第一ゲームは……itoです!」
そういうと、配信画面の右上にitoと書かれる。
今やっているものがわかるように、配信画面にもゲームが書かれるようになっているらしい。
『itoだ!』
『最近流行ってるからなー』
『この3人が、どういう感性を持っているのかわかるのか…』
『どういうゲームだっけ?』
『いいチョイス』
「まずは、どのようなゲームかわからないという人のために、itoの説明をしましょうか。初めに、一人一個、1から99までの数字が与えられます。そして、テーマが発表されますので、そのテーマに沿って、自分に与えられた数字の大きさで、そのテーマのものを表現して、小さい順に当てていくというものですね。…もし、今の説明でもわからなくても、今から練習で一回やってみますので、それをみてくれればわかると思います」
俺たちも一回、リハーサルでやってみたのだが……、思ってた以上に難しいんだよな、これ。やっぱり、人によって感性というものが異なっているから、このぐらいかな?と思っても、結構ずれていたりもするんだよ…。
けど、それが面白いんだよな…!
『なるほどー』
『なんとなくわかった!』
『一回見てみよう』
『結構むずいんだよな』
『楽しみ!!』
「ちなみに、私たちは、これからコメント欄などが見れなくなりますので、好きにコメントしてもらっても大丈夫です」
『はーい』
『了解です』
『これなら俺たちも楽しめそう!』
ゆずき先輩がそう言うと、スタッフの方が、コメント欄、そして配信画面も見れなくする。
これで、俺たちには何も見れなくなった。
「では練習として、一回やってみますね。本当は、私がMCはゲームマスターをするんですが、このゲームにだけは参加できるということなので、よろしくお願いします。そして、練習では、見ている皆さんにそれぞれの数字が見えるように、私たちも数字を入力しますので、それを見て楽しんでください」
ゆずき先輩がそういうと、ゆずき先輩がカードを仕切っていき、俺たちに一枚ずつ渡していく。
ちなみに、ゆずき先輩がitoだけやれるのは、このゲームに、そこまでMCやゲームマスターが必要ではないためだ。
こういうゲームを先輩とやれるっていうのは、本当に嬉しいし、いい機会だと思うな…。
ゆずき先輩が、カードを仕切って、俺たちにカードを渡していく。
「では、それぞれカードを見てください。そして、数字の記入もお願いします」
俺は、渡されたカードを見る。
そこに書かれていたのは……62。
いやあ…、結構難しいところを引いた気がするな。
できれば、低い方や高い方によっていた方が、わかりやすいことを言えたんだけどな。
俺は、その数字を手元の画面に入力していく。
これは、リハーサルの時から言われていたもので、視聴者に見せるため、そして、わかりやすく結果発表をするために、書いておくように言われていた。
みんな今、その数字を入力している。
「では、皆さんにカードが渡ったということで……視聴者の皆さんには、それぞれの数字を見せようと思います」
『お!どんな感じだ?』
『近い数字があると一気にむずいんだよな…』
『できれば、大きい、小さいで分かれていた方がいいんだよな…』
『これで、4人の感性がわかるぞ…!』
「数字は……こんな感じです!」
レン : 62
もみじ: 30
シズ : 76
ゆずき : 15
※この数字はレンたちに見えていません。
ゆずき先輩の言葉と同時に、俺たちの席の表にある画面にそれぞれの数字が出てくる。
みんなどんな数字なんだろう…。
ちょっとワクワクしてくる。
『これはー…どうだろう』
『ゆずきちゃんともみじちゃんは大丈夫そうかな?』
『意外と、レン君とシズちゃんが危ないんじゃないか?』
『俺的に、ゆずきちゃんの数字が低いのがちょっと気になる。何をいうんだろう…』
『これは…テーマによっては難しいかもな』
「数字がわかったということで、次は…テーマを発表します」
きた…!このゲームはテーマによって、難易度が上がったり下がったりするからな…!
本当に大切になってくる。
できればわかりやすくて、簡単なものをお願いします!
「テーマは……日本で人気な食べ物です!」
「おおお…!人気な食べ物…」
「この数字はどのくらいでしょうか…」
「……難しいなー…」
シズさん、もみじさん、俺という順にテーマを聞いて反応をする。
俺の数字は62だから、普通よりも少し人気のある食べ物…。
わからないって…!
『ちょっと難しそうだな』
『低い数字の人が何をいうのか気になる笑』
『これは人によるから難しいぞーw』
『面白くなりそう!』
「うーん…」
(普通よりも、人気のある食べ物…。だから、日本の人なら一度は食べたことがあるものぐらいか?)
「これはちょっと考えますね…」
(…30で、人気な食べ物ですか…。苦手な人もいるけど、好きな人も少数いるぐらいでしょうか?)
「人気な食べ物だからねー…」
(76かー…。これは有名なところをいっても大丈夫かな…?ただ、あまりにもなものを言うと、もっと大きいと勘違いされるかもしれないからなー…)
「皆さん、もし言えそうであれば言ってもらっても大丈夫ですからね。…私も今考えているんですけど…」
(……私も今テーマを知りましたけど…、これは難しいですね…。15と低い数字ですから、みなさんが苦手そうなもの、嫌いなものを言えばいいのでしょうか…?)
((難しい…!!!))
みんな、いろいろと考えてそうだな…。
ここは一旦…俺が言ってみるか?
ちょっと不安ではあるんだけど…、言わないとゲームが始まらないからな。
「じゃあ、俺からいってもいいですか?」
「いいですよ、レン君」
「私もレン君の次に行こうかな。レン君、いい感じのお願いね!」
「そうですね。レン君のを基準にして考えた方がいいかもしれないですね」
…そこまで期待はしないで欲しいんですけど…
「…俺はですね……中華飯ぐらいかなって思います」
『…微妙だなー…w』
『俺的には、45ぐらいなんだが…』
『もっと上でしょ!』
『けど……中華飯が日本で人気かって言われるとな…』
『好きな人もいるからなんとも言えないな』
「中華飯ですか…」
「なるほどー…。私的には真ん中ぐらいかなって感じるね」
「そうですね。私もそれぐらいかなと思います。ただ…これ、やっぱり難しいですね…」
「…何を言ったらいいのかわからないですけど、俺的にはこのぐらいかなって思いますね。もしかしたら、他にいいものがあるかもしれないですけど…」
正直、わからない…。名前はみんな聞いたことはあると思うし、見たこともあるとは思うから、中華飯ぐらいがいいんじゃないかと思った。
もし、めっちゃ好きって言う人がいたら申し訳ないけど…。
「なら、次私いきますね!私は……手羽先ですかね…!」
『手羽先!』
『ちょうどいいんじゃないか?』
『私食べたことないなー…』
『でも流石に、手羽先の方が人気だとは思うな』
「手羽先か…」
俺よりも……大きいか?
中華飯と手羽先でどっちが人気かって言われたら、多分手羽先の方が人気だとは思うんだけど…。
でも、中華飯の方が好きって言う人もいるからなー…。難しい。
「手羽先と中華飯だったら……、手羽先の方が大きいですかね?」
「そうですね…。ただ、もしかしたらレン君とシズさんが結構近いのかなとも少し思いますね」
「そうなんですよねー。……でも、私的に、若干私の方が大きいんじゃないかなって感じますね」
「…俺も手羽先の方が大きいんじゃないかなって思います。でも……多分俺とシズさんは近いですね」
考えたけど、やっぱり手羽先の方が人気だとは思う。俺もそっちの方がよく食べるしな。
「なら、一旦は、レン君、シズさんっていう順ですかね。私ともみじさんにもよりますけど」
「いいと思います!」
「ですね。なら、私いってもいいですか?」
「いいですよ。私は最後にいいますね」
俺たちは一旦、俺、シズさんという順に決める。
あっているかはわからないけど、俺的にはいいんじゃないかと思う。
あとは二人次第なんだけど……、できれば極端なものが出てきて欲しい。
「私はですね……、ニラですかね」
『ニラwww』
『確かにそれぐらいかもしれんw』
『俺大嫌いだぞ』
『けど、人によっては好きかもな』
『おもろw』
「…ニラ…!?」
まさかまさかの野菜が出てきた。
確かに、食べ物だから、野菜も含まれはするな…。
俺は思い浮かばなかったから、ちょっと面白い。
でも……これはわかりやすい気がする。
「ニラかー…!これはわかりやすいんじゃないですか?」
「…まさかの野菜で少しびっくりしましたけど…俺もそう思います。流石に、もみじさんが3人の中だったら低いと思います」
「私も二人のを聞いた感じ、私が一番下かなと思いますね。中華飯、手羽先、ニラですし……」
「…そうですね。ですから、もみじさん、レン君、シズさんっていう順番ですかね」
「これ…、意外と合ってるんじゃないですか…!」
「私もいいと思います!あとは…ゆずき先輩次第ですね」
俺も今のところはあっていると思う。
だから、ゆずき先輩の答え次第で、成功か失敗かが決まる…!
「最後は私ですね…。私はー……」
…わかりやすいの来い!
「……シュールストレミングですかね…」
『シュールストレミングきたー!』
『もっと低いんじゃないか?w』
『でも、一応食べ物だから…案外ちょうどいい説』
『ゆずきちゃんの口から、その言葉を聞くことになるとは…』
『食ったことないwww』
「……これはー…」
え…、もう決まったんじゃないか?
「…決まり…ですかね?」
「そう…だね…!」
「そうですね…!流石にシュールストレミングが一番下じゃないですかね」
「…私自身も一番下だと思いますね」
まさか、ここまでわかりやすいものがくるとは思わなかったな…。
シュールストレミングとニラだったら、流石にニラの方が人気だとは思うしな。
人によっては、ニラの方が苦手って言う人もいるかもしれないけど…、それは少数だと思うしな。…多分。
「ということで、一旦意見を合わせると…、低い順に、私、もみじさん、レン君、シズさんって言う順番でいいですかね?」
「いいと思います!」
「私もいいと思いますね」
「俺もその順だと思います」
俺たちは、一旦意見をまとめてみる。
食べ物で順に言うと、シュールストレミング、ニラ、中華飯、手羽先っていう順番だな。
こうみてみると、人によってどこの料理かもし、料理か材料かとかも違っているから、面白いんだよな。
「でしたら……、この順で決定ということで、私から数字を言っていきますね」
こっから結果発表か…!
コメントのみんなはもう結果をわかっているけど、俺たちは何もわかっていないから、少しワクワクする。
「私の数字はー……15です!」
「おー…!私の予想とほぼ同じだ!」
「そうですね。私はもう少し低いかなって思いましたけど、大体同じですね」
「俺もそれぐらいかなって思ってましたね」
正直なことを言うと、10ぐらいかなって思ったけど……、ほぼ同じだろう。
それに、ニラが15よりも下ということはほぼほぼないと思うし。
このゲームは順番さえ合っていればいいんだからな!
「でしたら、次は私ですね。私の数字は……30です!」
「おー、いいところじゃないですか?」
「うん!私もそれぐらいかなって思ってた!」
「そうですね。今のところは、ちゃんと低い順に来てますね」
多分…問題はここからだな。
「なら、次は俺ですね。俺は……62です」
「なるほど…。私的には予想通りですね」
「私は…少し高いって感じたけど、でもそのぐらいだとは思ってた!」
「でも、ちょうどいいところをいったとは思いますね。このテーマですと、真ん中あたりが難しそうだと感じてましたから」
ゆずき先輩はそう言いながら、微笑んでこちらをみてくる。
「…ゆずき先輩にそう言ってもらえるとありがたいです。正直、マジで難しかったので」
今でさえ、他にいいものがあったんじゃないかって考えちゃうぐらいだからね。
…でも、ゆずき先輩に褒められたのは本当に嬉しいな…。
「いいところを言ったと思いますよ。ですけど…、まだ成功かどうかはわからないですけどね」
そう言って、ゆずき先輩はすぐ隣にいるシズさんを見る。
そうだ、シズさんの数が俺のよりも大きければ…!
「…じゃあ、最後に私ですね…。私の数字は……76です!」
「…ていうことは…」
「はい、成功です!」
「「やったー!!」」
「流石ですね!」
『すごい!』
『これはまだわかりやすいほうだったな』
『大体どんな感じかわかった!』
『このゲーム、思ってた以上に面白いかも』
よかったーー!
練習だったとしても、ちゃんと成功させることができたのは嬉しい。
さっきリハーサルでやった時は、全然うまくいってなかったからな…。
「…こういう感じのゲームですね。多分これで、みなさんゲームのルールがわかったと思いますので、次の本番にいきますね。本番では、コメントのみなさんも数字がわからない状態ですので、一緒に考えてみてくださいね!」
次が本番…!
今回は、もみじさんとゆずき先輩がわかりやすかったから、うまくいったけれど、もっと近い数字が割り振られると、一気に難しくなるからな…。
本番もできれば、今みたいな感じがいい。
…まあ、近くても、考えまくって当てに行くけどね…!
それに、テーマも変わるからな。そのテーマによっても変わるかもしれない。
「では……、本番に参りますね」
頑張るぞ…!
——————————————————————
やっとコラボ配信ですね…!
みなさんは今回のテーマ、数字だったらどんな食べ物を思い浮かべますかね?
もしよければ、コメントで教えて欲しいです!
自分の、いろいろ考えて今回の食べ物を選んでいますので……。
よろしくお願いします!
そして、星評価(レビュー)の方が450を超えました!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
誤字脱字等もあれば、報告お願いします。
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