第30話 RINGコラボ配信! 第二ゲーム NGワードゲーム 後編
……
「では、今から、またNGワードが書かれているものを配りますね」
そう言うと、またスタッフの方が、紙を持ってくる。
ちゃんと、2回戦目の分も用意してあるのがすごいよなー…。
こういうことになることも、見越していたんだろう。
俺はまた、配られた紙を見る。
——————————————————————
NGワード
凪威シズ : 配信
和泉もみじ : RING
——————————————————————
——————————————————————
配信画面
宇多黒レン : コメント
凪威シズ : 配信
和泉もみじ : RING
———————————————————————
『あ、これはみんないいそう』
『シズちゃん危なそうだなー』
『これは、話題によっては全員危ない』
『けど、RINGはまだ言わなそう』
『やばい、またすぐ言うんじゃないかって感じ始めた』
『もみじちゃん、またやらないかな…』
ふむふむ…。
シズさんが配信で、もみじさんがRINGかー。
これだったら、シズさんが一番言いそうな気がする。でも、二つのワードが少し近しいから、俺のワードも近いかもしれないんだよな…。
…そこは注意しながらやっていくしかないか。
「では、改めて……NGワードゲームスタートです!」
……
さあ、どうしようかな…。
さっきは、シズさんが、話を振ってくれたんだし、今回は俺からいこうかな。
「…さっきの話の続きなんですけど、シズさんは、どうやってファミールを知ったんですか?」
俺は、シズさんに聞いてみる。
NGワード的にも、ファミールの話を続けて言った方が、言う確率が高いと思うからな。
それに、シズさんがどうやって知ったのかも気になる。
「私?……私はね、ファミール全体オリジナル曲の、family rubyからだね。元々、この曲を書いた作曲家の方が好きで、聞いたんだけど、そっから沼にハマっちゃったね!」
なるほど…、family rubyからか…!
あの曲はマジで神曲なんだよな…。
ファミールを代表する曲と言っても過言ではないと思う。
「俺もよく聞いてますね…!本当にいい曲なんですよね」
「わかります!歌詞も良くて…曲調も良くて…皆さんの歌声も良い…。全てがいいんですね」
「だよね!私も初めて聞いた時から、ずっと好きなんだよねー」
できれば…、俺たちもどこかで歌って見たいなー…。まだ、そういうことはできないかもしれないけど、もし、歌うことができたなら、みんなの前で披露してみたい。
「確か…、昨日の初配信でも言ってやと思うんですけど、シズさんって、ユキ先輩がお……推しでしたよね?」
……もみじさん、推しっていうのを少し躊躇してたな…。多分、さっきNGワードとして言ってしまったからだろうな。ただ、そうなってしまうのもわかる。
……それにしても、その話をシズさんに振るのは、いいかもしれない。
シズさんのNGワードが、配信であるから、言う可能性も全然あるからな。
もみじさん……ナイスです!
「…うん、そうだね!えーっと…、family rubyを聴いてからファミールにハマって、そこで切り抜き…動画を見ていたら、ユキ先輩ばっか見ていたって感じかな!」
…やっぱ少し警戒していてそうだな…。
話し始めるまでにも、ほんの少し間があったし、動画という前にも少し間があったからな…。
しかも、配信とも言わなかったし。
「わかりますね…。私も、ショート動画と切り抜き動画を見ていたら、のぞみ先輩にハマってましたから」
「やっぱ、そうだよね…。切り抜き動画の影響力って本当にすごいよ」
切り抜き動画…。
これの影響力は、俺もすごいと思う。
俺も、初めてファミールを調べた時は、ミューチューブでファミールと調べたのだが、たくさんの切り抜き動画があったからな。それを色々と見ていると、マジで時間の流れを忘れて、見入って知まうんだよ…。
「レン君も、切り抜き動画ってみてた?」
シズさんはが俺に聴く。
…少し怖いけど…、ここは無難に返しておこう。
「見てましたよ。さっき歌ってみたから、ファミールを知ったって言ったんですけど、その後からは、切り抜き動画を見てましたね」
「やっぱ見てたんだね!。じゃあ、昨日の初配信でも言ってた先輩方達も、そこから見始めたっていう感じ?」
シズさんが言っているのは、神楽坂ながい先輩、太陽先輩、来栖セン先輩、胡桃ひまり先輩、早乙女シンカ先輩の事だろう。
「そうですね!ただ、切り抜き動画から見るようになったのは、ながい先輩と太陽先輩ですね」
そう、セン先輩、ひまり先輩、シンカ先輩は歌からハマって、見るようになっていたけれど、ながい先輩と太陽先輩は、切り抜き動画からハマっていったんだよなー…。
ちょうど、初めてファミールと調べた時に出てきたのが、古参組の方達の切り抜き動画で、そこから、まとめ上手なところと、反応のおもしろさというところから、ながい先輩にハマっていった。
そして、太陽先輩は、知って少し経ってから、切り抜き動画を見たけれど、実況が上手いし、少し勢いで誤魔化すところとかが面白くて、ハマっていったんだよなー…。
思い返してみると、懐かしいな…。
「やっぱ切り抜き動画ってすごいんだねー…。多分、今コメントしてくれている人達も、切り抜きからハマっていった人が多いのかな?…見えてないけど…」
『俺も切り抜きからだな』
『私も切り抜きから!そっから、オウ君にハマっていったなー』
『俺も切り抜きからだけど…、これ、言わせようとしてるな?w』
『もちろん切り抜きから』
『俺はライブからだな…』
『レン君…!気をつけて!』
「わかりませんけど…、多そうじゃないですか?今のところ、私達も切り抜き動画からハマってるんですし…!」
「そう考えると…やっぱすげーな…。切り抜き動画…」
もみじさん、俺という順に話す。
……どんな感じでもいいから、俺たちの切り抜き動画を作ってほしいな。
そういうのを見つけたら、すぐに見に行くんだけど…。作ってもらうためにも、これから色々な配信をやっていこう。
…それにしても、全然言わないなー…。シズさんとかは、早めに言うかなって思ってたんだけど言わないし、もみじさんに至っては、今のところ危なげもないんだよな…。
もみじさんの方にも、いい感じのパスを送りたいけど…。
…あ、そうだ。
「いつか、RINGの切り抜き動画とかも見てみたくないですか?」
俺は、さっきの話しを維持しつつ、もみじさんがNGワードを言いそうな話題にする。
それに、もしかしたら、シズさんの、配信という単語も言う可能性がある。
「…分かるなー…!RINGでの切り抜きは見てみたい」
シズさんも話に乗ってくれる。
多分、俺の意図も理解してくれたんだと思う。
「ですね!…私たちの切り抜きがあったら、すぐに見にいっちゃうと思いますね」
……上手くかわしたなー…。
流れ的にRINGっていうと思ったんだけどな。
もしくは……言わせようとしたのが、バレてしまった可能性もあるな。そうだったらまずいから、バレてないことを願うしかない…。
「だよねー。それに、私、少し夢でもあったんだよね。自分たちの切り抜き動画を見ることが…」
あー…、めっちゃわかるかもしれない。
vtuberになる前は、それを見て、楽しんでいたからな。今度は、切り抜かれる側になって、いろんな人に見てもらえると考えると、嬉しい気持ちになる。
「めっちゃわかります」
「ですね。今までは、見る立場でしたもんね」
「そうそう!これから先、色々と頑張っていかないといけないなー」
シズさんの言う通りだな。
ここから先、もしかしたら、辛いことだったり…嫌なことだったり…色々と経験して行くだろうけど、めげずに配信していきたい。
なんなら…、昨日初配信をやった感じ、思ってた以上に楽しく配信できたし、コメントのみんなのコメントも………
……
一部(ダジャレ)冷たかったところもあったけど、配信を通しては、あったかかったから、続けてやっていけるとは思う。
「……なかなか、シズさんもレン君も言いませんね…」
「…それは、こっちのセリフでもありますよ」
「…うん、早く言ってくれると、私としては助かるんだよ?」
「…それは私もですよ。さっきの私みたいに、すぐに言ってくれることは期待していたのですが…」
「さっきのもみじさんみたいには、絶対なりたくありませんでしたからね…!」
…本当のことを言うと、あまり何も考えずに話していたから、言ってしまう可能性もあったけど、今のところ言ってないみたいだしな。
ただ、聞く感じ、危なかったところもあった見たいなんだよな……
俺は、左を見て、もみじさんとシズさんの顔をチラリと見てみる。
二人も何かを考えているようで、真剣な顔をしている。
…もしかしたら、二人も俺みたいに、危なかった場面があったことをわかっているのかもしれないな…。でも、多分、NGワードはわかっていないとは思う。
だって……俺が何もわかっていないからな…!
マジでなんなんだろう…。
この話しをしているのを見ると、ファミールだったり、配信関係なんじゃないかなとは思うんだけど…、何もわからない。
ただ……ちょっとした予想としては…、ファミールとか、事務所っていう単語かなとは思っているのだけれど…、違う可能性も全然ある。
「…少し話題を変えてもいいですか?」
「いいんじゃないかな。少し、話も停滞してたしね」
「俺もいいですよ」
もみじさんが、俺たちに話しかける。
うん、この調子だと、ずっと言わないままで終わってしまう可能性もあるから、話題を変えるのは全然いいと思う。
「でしたら…、昨日の初配信ってどうでしたか?」
あー…、確かに、この話しはいいかもしれない。
少しだけ、待機室で、初配信については話していたけれど、そこまで深いところとか聞けてないし、シズさんともみじさんの話しも全然聞けてなかったからな。
「初配信ね!それはもう……緊張したよね…」
……
「シズさん、アウトです!」
「え!?嘘でしょ!」
『あっ』
『言っちゃたかw』
『シズちゃーん…!』
『けど、配信は言いやすかったからしょうがない』
『もっと話し聞きたかったのに…w』
『初配信の話題だと言っちゃうよねw』
『けど、よくみんな言わなかったよね』
よしっ!!
やっと言ってくれたぞ…!
「嘘じゃないですよ。シズさんのNGワードは、配信でしたね」
「配信かー…。そっち方面だとは思ってたけど、配信だとは思わなかったなー…」
「けど、よくここまで言いませんでしたね…。もっと早く言うと思ってました」
「わかります!私みたいに、すぐに言う可能性もあると思って、少しワクワクしていたんですけど…、ずっと言わなくてびっくりしてましたもん」
「確かに…、配信なら言っててもおかしくなかったかも…!よく私言わなかったね」
「ほんとですよ…!でも…これでやっと、一人減りましたね」
そうだ。シズさんが、言ってしまったことから、残るのは、俺ともみじさんだけ。
ここまできたなら、最後まで残るぞ。
それに…、さっきすぐに言ってしまったもみじさんには、あまり負けたくない…!
「では、残りは、レン君ともみじさんだけと言うことで……、二人で続けてください」
「頑張れー!二人とも!」
……
もみじさんのNGワードはRING。
初配信の話題のままでも、言う可能性はあるかな…?
…よく考えると、RINGって言わせるのって、結構難しくないか…。
「さっきの話しの続きなんですけど…、レン君は初配信どうでしたか?」
…やばい。
もみじさんに話しの主導権を渡してしまったな…。
気をつけて答えていかないと。
「…そうですね…。俺もめっちゃ緊張してましたよ。一番最後にやりましたしね…」
「やっぱそうですよね…。でも、意外と楽しくなかったですか?」
「…正直、楽しかったですね…!配信が始まってすぐは、心臓が痛いくらい緊張してましたけど…、進んでいくにつれて、楽しさも湧いてきた感じです」
始まる前は、マジで心臓がドキドキだった…。
でも、配信を進めて行くと、コメントとの掛け合いもできたりして、楽しくなってきたんだよ…。
「ですよね!私も緊張してたんですけど、コメントしてくれた皆さんのおかげで、楽しくできたんです」
「めっちゃわかります!コメントの力って本当にすごいんだなって感じましたもん」
もみじさんも同じことを思っていたらしい。
初配信でここまで、コメントの力を知ることができたんだから、ここから先もより感じて行くんだろうなー。
「…レン君、アウトです!!」
『言ったー!w』
『言うかなとは思ったけど…』
『レン君……』
『シズちゃんから早かったなー』
『しょうがないな』
『www』
………え?
「えー!!俺、言いましたか!?」
ゆずき先輩に、言ったことを指摘されて、驚く。
マジかー…。思ってたよりも悔しい…。
「はい。レン君のNGワードは、コメントでしたね」
「あー…、なるほど…」
だから、コメントの話しを出してきたのか…。
…今思うと、切り抜き動画の話しの時も、コメントの話しが少し出てきていたな。
そこをもっと考えていれば、わかったかもしれないのにー…!
「…予想以上に悔しいですね」
「でも、いい戦いをしてましたよ。私としても、色々な話しを聞けましたから」
そういえば、ゆずき先輩は、アウトの時以外ずっと話さないでいてくれたんだよな。
多分、何かしらの誘導をしてしまう可能性があったから、何も話さずにいたんだろうけど、その辺りも流石だ。
「レン君…。上手く言ってくれてありがとうございます…!」
もみじさんが、とんでもない笑顔で俺に言ってくる…。
「…ど、どういたしまして…」
俺は、下手な苦笑いをして返す。
チックショー…!!!
本当に悔しいかもしれない…。
負けたのもそうだが、もみじさんに負けたって言うのがな….。さっきあんな早く負けてるのに…。
「ちなみに、私のNGワードってなんだったんですか?」
「もみじさんは、RINGでしたね」
「なるほどー…。全然わかりませんでしたね」
「切り抜き動画のあたりで、少し攻めてたんだけどねー…。上手く避けられてたね」
「そうなんですよね…。言ってもおかしくなかったんですけど、上手く避けられました」
あの時、言ってくれていれば…。
ワンチャン、勝てたかもしれないのに…。
…ただの負け惜しみだけどね。
「ずっと聞いてたんですけど…、よく皆さん言わないなって思ってましたよ。言ってもおかしくない時でも、NGワードだけは言ってませんでしたからね。シズさんも、もみじさんも、レン君もすごかったです。みている私も、楽しめましたよ」
「「ありがとうございます!」」
俺たちは、ゆずき先輩にお礼を言う。
ゆずき先輩にも、楽しんでもらえたならよかったかな…。
『ゆずきちゃんの言う通り!』
『初めはマジで言わなかった』
『終わらないとも思ったからな』
『最後一気にきた感じだなw』
『初配信の話題のおかげだな…』
「はい、次も頑張ってくださいね!」
次は…、クイズだな。
歴で言うと、一番短いかもしれないけど…、答えれるものは全て答えてやる。
「と、次に行く前に、これをやらないといけませんでしたね。第二ゲーム NGワードゲームの勝者はもみじさんです。おめでとうございます!」
「ありがとうございます!」
『おめでとう!』
『おめでとう』
『おめでとー』
『流石もみじちゃん』
パチパチっ
俺達も、もみじさんに拍手を送る。
…少し羨ましい。
「と言うことで、次に行きますね。次がラストになります。ラストはー…ファミールクイズとなります!コメントの皆さんもぜひ参加してくださいね」
———————————————————————
次からクイズです!
わからないところも多々あると思いますが、読んでくれている皆さんでも知っている問題を作ろうと思ってますので、楽しみに待っていてください。
そして、引き続き星評価(レビュー)や、誤字脱字報告をお願いします。
もうすぐで、星が500を突破するので……ぜひお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます