第4話 まさかの面接…?! 面接会場編
一部修正しました。
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2023 3月上旬
俺が書類を送って、二、三週間後のこと。
「…マジかよ」
俺は、今送られてきた封筒の中身を見て驚いた。
そこにはこう書いてある。
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この度はこちらvtuber事務所 ファミールの新人採用にご応募していただき誠にありがとうございます。
こちらの結果、二次試験である面接に貴方様をご招待したいと思っています。日時は来週の土曜日の13時30分頃を予定しています。しかし、簡単な事前説明や、部屋移動などもありますので、13時00分までにこちらまでおいでになってください。また、人によっては3時間30分以上の待ち時間があると思われますので、その準備もよろしくお願いします。
場所は…
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この後にも文章はまだ続いているが、俺はもう初めの文を読んで思考が停止してしまっている。
え…?マジで?マジで書類選考受かっちゃったの?
本当に…? …………
こんな言葉ばっか頭に浮かび上がってくる。
少し冷静になろう。
…正直本当に書類選考が通るなんて思ってもいなかった。歌い手も一年半やったが全然伸びずにここまできて、今回の応募だってちょっとした可能性にかけて応募したのだ。
ちょっとした可能性って言っても俺からしたら1%より小さいぐらいの可能性だと思っていた。それぐらいこのvtuber事務所が有名で、倍率だって高いっていうことは少し調ていて、俺自信もよくわかっていた。けれど、書類が通ったことで、そのちょっとした可能性に少し近づくことができたんだ。
「…冷静になってきたぞ…」
まだ、あまり信じられてはいないけれど、少しだけ頭が冷えてきた。
そうだ、これは大きなチャンスなんだ。俺のどこが良かったのかは、向こうの事務所にしか分からない。けれど、ここで面接という絶好の機会まで行くことができるんだ。こんな大きなチャンスを逃したら、俺は絶対に後悔する。
「面接までいったからには、絶対にやってやる…!」
俺はそう決意し、面接の準備にとりかかるのだ。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
あれから一週間後。
今日が面接の日、いや、決戦の日だ。
そういき込んで、ファミールの本社まで来たのだが…
「…デカすぎだろ…?!こんなでかいのかよ…」
俺が思っていたよりもファミール本社が大きく、多くの土地を使っていて、たくさんの建物があったのだ。確かに、少し調べたことを思い出せば、誕生日ライブや周年ライブ、大きな企画や収録、歌ってみたなどvtuberはやることがたくさんあったから、色々なホールや部屋などはあってもおかしくない気がする。それもファミールはそのvtuber界隈でもトップと言っても過言ではないのだから、ここまで大きいのは当たり前と言えば当たり前か…。
「やばいな…。これ面接受かるのか…?」
家で、たくさん面接の準備はしてきた。何が聞かれるかも予測して、ちゃんと受け答えできるようにしたし、緊張を施す方法など意味があるか分からないところまで調べてきた。
けど、この建物を前にすると…ちょっと自信を失う。
「…いや、ダメだ。ここまで来たからには頑張るぞ…」
こんなんで気圧されてたらここから先やっていけないだろ。
ここで言うのもなんだが、俺は、この面接の準備をしていた時に、もしこの面接に落ちたら歌い手としての人生も終えようと思い、チャンネルの概要に辞めるという告知までしてきた。もちろん、合格していても辞めることは変わらないので、本当に歌い手としての人生を終えるのだ。一応、まだ見てくれている視聴者のみんながいるかもしれないから、チャンネルは残してある。けれど、それぐらいの気持ちを持って、この面接に臨むんだ。
いくぞ…
俺はもう一度気合いを入れ、ほっぺを思いっきり叩いて、入り口のドアを開けた。
すると…入ってすぐそばの部屋にたくさんの人がいるのが見えた。その部屋のドアには面接二次待機場所(男性用)と書いてある。そして、その部屋のすぐ隣の部屋にも、面接二次待機場所(女性用)と書かれていた。俺は男だから、男性用の方に入ればいいんだよな。
入ると、イスがたくさん並べられおり、もうたくさんの人がそこに座って待機をしている。俺は、空いている一番後ろの方の席に向かうのだが…その向かっている間に少し周りを見てみよう。部屋には男性しかおらず、多分五十人ぐらいの人がいると思う。みんな顔を見る感じ緊張しているように見える。…まあ、とか言う自分もここに入ってから心臓がドクンドクンいってるんだけどね…。
俺は一番後ろの席についた。
そして、1分も経たないうちに…
ドアが開き、二人の男女が入ってきた。
…もしかして、一番最後だった?俺が入ってから、誰も入ってないと思うから…。なんか、申し訳ないな…。
時間は12時45分で時間は守っているけれど、やっぱもっと早くきて待機してた方が印象はいい感じがするよな…今度からこういうことがあったら、もっと早く来るようにしよう。
「皆さん、今日はここまで来ていただきありがとうございます。面接は予定通り13時30分より開始いたしますが、少しだけ注意事項を話させていただきます」
そう、女性の方の社員が話すと次は男性の方の社員が話始めた。
「まず一つ目ですが、面接は一人ずつやらせていただきます。しかし、一人5分から10分ぐらいで終わると思いますが、順番によってはたくさんの時間待つ可能性がある人もいますので、そこのところご了承ください。面接部屋は、3部屋となっていますが、私達が案内いたしますのでご安心ください。
…それで、ここでちょっとした注意ですが、先ほど時間は5分から10分ぐらいと言いましたが、逆に言いますと、それだけ質問なども少なくなり、自分の長所など話す機会も少なくなるということです。ですので、どんな質問にもできるだけ、自分の良さを話せるように頑張ってください。」
時間は5分から10分ぐらいか…。他のところの面接がどれだけやるかとか、どんな人数でやるかとかは分からないが、この方の話を聞く感じ少ない方なのだろう。
この短い時間でどれだけ自分の良さを出せるかが問題ってことね…。
やばい、くそ緊張してきたぞ…!
面接なんて高校の頃に一度しかやってないけど、大丈夫かな。
次に女性の方の社員が話始める。
「次に2つ目ですが、今回の面接で合格していただくと、晴れてファミールの新人vtuberとしてデビューすることができます。しかし、その人数は、わかる人もいると思いますが、3〜5人となります。今までの、新人グループの傾向を見ると分かりますが、男性一人・女性二人や男性二人・女性三人、はたまた男性四人だったり、女性五人だったりと結構バラバラになっています。ですので、男性から一人は受かるだろうだったり、女性は多く受かるかもしれないから大丈夫といった考えはおやめになった方が良いと思いますので、そこのところご注意ください。」
そう、少し調べたのだが、この事務所は毎回男女比がバラバラだったのだ。俺はまだ、ファミールのメンバーだったり、同期グループのユニット名など調べ不足なこともあるが、一個前の新人グループは女性三人グループ、2個前は男性三人、女性二人グループということは少し調べてわかっている。
流石に、もし合格したら死ぬ気で全員覚えるけどね!
…ただ、ここに集まっている人のほとんどは元からファミールのvtuberを見ていて、それに憧れて応募している人だと思うと、あまりvtuberに詳しくなかった自分がここにいてもいいのかという気持ちも結構ある。元から見ていた人は、ファミールのメンバーを百人以上言えたり、同期グループのユニット名だって言えたりして、俺なんかよりファミールにふさわしいとも思う…。
…っは、これから面接なのにこんなネガティブでどうする!
確かに、さっきのことは正しいけれど、俺がそこまでvtuberに詳しくないことは、書類検査の時にわかっているだろう。それなのに、今俺は面接会場にいることができているんだ。面接の練習もしてきたし、やれることをやろう。ネガティブな気持ちになったらダメだ…!
「それでは、これで注意事項は終わりですので、面接待機場所に案内しようと思います。これからは男女二つの部屋に分かれますので、男性はこちらの男性社員、女性は私についてきてください。もし、他に質問がありましたら、次の部屋で私たちにお聞きになってください。
それでは、案内いたします。」
さー、ここからが勝負だ。
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※ 日付を付け忘れていたので、つけておきました。
(そこまで物語に関わらないけれど、一応)
※ 第3話のちょっとした情報を近況ノートに書いておきました。(例えば、参考にさせてもらった歌など)
まだまだ文章は下手だと思いますが、頑張って書いていこうと思いますので、よろしくお願いします!
追記
先のことを考えて、一個前にデビューした人たちを、女性五人から、女性三人に変更しました。
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