嘘とウソ

「ギフト」「トドカナイ」とつながる短編。
これだけでも、読めるけど。
ぜひ、繋げて、読んでほしい。

これ、切ないんですよ。
表現するのが難しいんですけど、主人公は、「◯◯に惚れてる♡」とか安易に言いださないタイプ。

でも、このサークル仲間は、同じ時間軸で、とっても切ない恋をしてて、その為に歩いたり、泣いたり、勇気を出したり、そんな時間を過ごしてる。
それが絶妙に、この短編に、切なさのヴェールを幾重にも、かけています。

そのなかで、清史郎の言葉が、人生観があらわれている言葉で、深い。

ああ、レビューが簡単ではない。

さっと読める文字量なんですけど、物語の展開が複雑なことはないんですけ…続きを読む

作者のかたのやさしさ。本作は恋愛にかんする連作の一部で、ほかの作品をふまえるとさらにしっとり、味わえるのだけれど。嘘、ウソ。そうか。そうかあ。じれったさでもじもじする本作ですが、わたしは最後の、そのことば選びでずいぶん救われた気がします。ああ、なんだかずっとこの空間にいたい。