とても深いショート。面白いですよ。オススメです。

「ギフト」「トドカナイ」とつながる短編。
これだけでも、読めるけど。
ぜひ、繋げて、読んでほしい。

これ、切ないんですよ。
表現するのが難しいんですけど、主人公は、「◯◯に惚れてる♡」とか安易に言いださないタイプ。

でも、このサークル仲間は、同じ時間軸で、とっても切ない恋をしてて、その為に歩いたり、泣いたり、勇気を出したり、そんな時間を過ごしてる。
それが絶妙に、この短編に、切なさのヴェールを幾重にも、かけています。

そのなかで、清史郎の言葉が、人生観があらわれている言葉で、深い。

ああ、レビューが簡単ではない。

さっと読める文字量なんですけど、物語の展開が複雑なことはないんですけど、物語の深度がとても深くて、簡単に言い表せない世界なんです。

複雑な、ほろ苦いカカオのような、香り高いフルーツのような、秘匿されたスパイスのような、でも日常のけだるさの煙のようなフレーバーもあり……。

このショートは加須 千花をソムリエにさせる。

おすすめですよ。
ぜひ、ご一読を!