Twitterから来ました。
フォロワーが「怖いから夜に読まないほうがいい」と言うので、昼間仕事の合間に同僚が近くにいる状態で読んだのですが、昼間のエピソードもあってどっちにしろ怖いじゃないか!と震えました。
ひとつひとつのエピソードは、怖いっちゃ怖いけど、そんなにド派手な怪異というわけではありません。しかし、読み進めていくたびに、何かがじわじわ近づいてくるかのような悪寒を感じるようになります。
心臓が弱い人は近況ノートを見ないほうがいいです。
こんなにおもしろいんだから書籍化するんじゃないかと思うんですけど、この作者様にコンタクトを取る編集者さんのことを考えると、胸が潰れる思い……。
読者から寄せられた怪談記事をまとめたようなモキュメンタリー(ドキュメンタリー風の)ホラーです。
それにしても、よく作られています!
作者さまの怖いプロフィールをご覧になれば分かるのですが、雰囲気作りに並々ならぬ気迫を感じました。
表題にもあるように、近畿地方のある場所が、幾度も怪談記事に出てくるのですが、、、果たしてどう暴かれていくのか?
怪談そのものは、その場かぎりの点と点のようですが、それがどう結びついて線となり絵を描くのか?、物語を追っていくうちに、好奇心と惹き込まれる魅力を感じました。
物語が、あくまで記事に徹しているところにも、プロ意識を感じます。
怖いものを怖く魅せるには、じつはとても技術が要って、如実に怖さを表せる作者さまには脱帽しました。
まだ読みかけですが、最後まで目が離せないホラーとして、注目しています。
一読して作者のしたたかな力量を感じた。
本作ではさまざまな媒体で恐怖が語られる。
ネットの掲示板、怪しげなエロサイトのコメント欄、喫茶店での会話、あまり人気がないブログ、雑誌の記事、雑誌の投稿、手紙、小説……
語り手の「私」はフリーランスのライターだが、その設定にリアリティを持たせるのに十分な語りの巧みさである。
現代ホラー小説の古典ともいえる『リング』の影響も感じた。
リングで呪いを伝播するのはビデオテープ、本作ではネットである。
呪いを伝えるスピード、伝染力が桁違いでゾッとする。
また物語の終盤語り手である「私」の正体が明らかになるが、この正体は小説ではなく映画版リングの影響があるようにも思えた。
この物語の根底にあるのは母子の悲劇だが、これは京極夏彦も書いた姑獲鳥(ウブメ難産で死んだ母親が変化した妖怪)以来の「怪談における母子もの」の伝統にのっとっていると思った。
もっとも姑獲鳥の生んだ赤ん坊はその後元気に生き、母から授かった大力を生かして力士になり、大関や横綱に出世するというおおらかさがあるが、本作の母子にそんなおおらかさは微塵もない。
乾ききった孤独と悪意があるだけで、そこに現代の厳しさを感じた。
技巧を凝らしたホラーで二重三重に巧妙な罠が張り巡らされている。
「近畿地方のある場所」という思わせぶりなタイトル、劇中繰り返し●●●とあえて伏せて表記される地名などが強力な媚薬として最後まで読者の好奇心を引っぱっている。
しかしこれも罠なのだ。
その罠がなんであるのか、読者が見抜く楽しさも本作にはあると思った。
私はホラー作品を長年読み漁っている人間なのですが、たまに「これはやばい」と背筋が凍るような作品に度々出会います。
そういう話は大抵短編で、頭のなかに怪異の姿がありありと想像できて、本当に恐ろしく…しかしたまにしかない、というところで、怖すぎない思いをする程度で済みます
さて、こちらの作品ですが、それがずっと続きます
最高レベルのホラーが、作者様の圧倒的な筆力、リアリティでもって毎話お届けされるのがこちらの作品にです。
毎話、背筋が凍ります。ホラーが好きで得意な私が「怖いよ~」と思わず言ってしまうようなクオリティの話がずっと続きます。異常なクオリティです。
ホラーが好きな方は是非読んでください。苦手な方は…おすすめしません。一話読んでしまったが最後、気になって全部読んでしまうでしょうから、きっと苦しい思いをするかと思います。
最後に、是非ある程度読んだら作者様の近況ノートを覗きに行ってみてください。
「え? フィクション、だよね?」と思わず口にしてしまうほどのおぞけが、きっとあなたを襲うでしょう…。