首輪つきのリンネ

その女の子は奴隷として生まれました。
名前すらない"首輪つき"の女の子は、持ち主に認められた狭い世界で育ちました。
けれど、あるとき。
とある魔法使いに引き取られて、女の子の世界は大きく変わりました。
その魔法使いは、女の子にリンネという名前を与え、奴隷として扱わないと告げました。
首輪をはずし、人として生きるようにと言いました。
けれど女の子は──リンネは、そうは出来ませんでした。
それまでと大きく違う生き方を、リンネは受け入れられませんでした。首輪を外そうとすれば恐ろしい記憶がよみがえり、とても正気ではいられません。
リンネは、生まれたときから刷り込まれた"奴隷"という身分そのものに、強く縛られていました。
魔法使い──エストレアは、リンネを人にすることをひとまず諦めて、そのままつれてい…続きを読む