この世の真理を追究しようとすると、何もできなくなる

ラッセルの『幸福論』の内容を彷彿とさせる話でした。哲学的と言いますか。
この世界における自分という存在の意味や、存在するすべてのものの意義、真実を突き詰めようとあがく沙悟浄の鬱々とした姿に親しみを感じました。
彼ほど真剣に向き合って考えることはありませんが、こういう悩みは本気で向き合うほど答えが得られないような気がします。
こういう時、師匠とか宗教ではなく「悩む前に、とりあえずやりたいことやっとけよ」と声をかけてくれる友人がそばにいれば、救われるのではないのかなと思いました。

物語の最後で『無智無識だが信じて動く悟空は、お前にとって大きな刺激になるぞ』という助言が与えられたことは大きな救いだと思いました。
続きの話があるので、悟空、八戒、三蔵の三人と合流した悟浄の変化が楽しみです。

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