概要
突発的に流行した自殺衝動の事を、人々はこう呼んだ。
飽くなき願望が爆発した日、変わらぬ退屈が爆発した日。
人々は願いのまま異世界を信じ、異世界病者となり自らの命を絶つようになった。
異世界を信じた死者と、世界に絶望した死者。
現実が狂い出した頃、天使と悪魔が囁きはじめた。
世界の終わりに悪魔が嘲笑う。
「このまま死んで、魔法使いになってみないか?」
『異世界病』
突発的に流行した自殺衝動の事を、人々はこう呼んだ。
飽くなき願望が爆発した日、変わらぬ退屈が爆発した日。
人々は願いのまま異世界を信じ、異世界病者となり自らの命を絶つようになった。
異世界を信じた死者と、そんな現実に絶望した死者。
世の歯車が狂い出した頃、天使と悪魔が囁きはじめた。
世界の終わりに悪魔が嘲
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!異世界病、という言葉に惹かれて
異世界病、という言葉に惹かれて読み始めたお話です。
設定が深く作り込まれていて、文章もとても巧みで魅力的で、読んでいる内にどんどん話に没頭していきます。
サブタイトルも、読んだ後に見直してみるとなるほどと理解出来るようになっていたり、そういった所でも言葉の選び方が素敵だなと感じました。
キャラクターさん達も個性豊かな方が多いのですが、一面を知っただけではわからない、今まで生きてきた道筋やその想いの深さを、読んでいく内にゆっくりと知っていくのもとても魅力的に感じました。
絶望的で退廃的な世界の中でも、静かに前を向いて歩いていくような主人公達の行く末を、最後まで見守っていきたいと思えました。
是…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絶望と灰にて
異世界転生というものがある。現実世界への絶望か、それとも逃避か、人々はその衝動と願いのままに異世界を信じてその命を絶つ。その衝動は、異世界病と呼ばれた。
その異世界病が、生み出したものがある。
主人公は異世界病の蔓延する世界に絶望し、異世界への憧れなどではない理由で自ら死を選ぶ。
天使と、悪魔と、果たしてこれはファンタジーであるのか。ファンタジーであると信じる人々が作り上げたものではないのか。
この世界の真実はどこにあるのか、この謎には間違いなく引きずり込まれる。
読み進めていくほどに、この作品の重厚さと深さを知ることになるだろう。
灰を踏むとはどういうことか。異世界病者は何を作り上げて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ファンタジーに絶望して。踏みしめたその先にある世界!
異世界病、ファンタジーに夢見た自殺衝動が生み出した『病気』
そんな『異常』が広がった現実世界、自ら死を選ぶことがとことん封じられたif世界。
はじまりは主人公、葛籠抜 芥が異世界病に溢れた現実世界に絶望し、死を選び飛ぶところからはじまる。
ただその死の間際、モノクロに染まる停止した時間の中で、芥は天使に出会う。
天使として現れた、かつて死んだ同級生との出会いこそが、芥を更なるファンタジーへと誘った。
異世界病に抗うため、再び生きることを選択した芥が連れていかれたのが、異世界病が作り出したという半界。
そこでは異世界を夢見た異世界病者、魔法使いを率いる悪魔陣営と天使陣営が戦いを繰り広げてい…続きを読む