ファンタジーに絶望して。踏みしめたその先にある世界!

異世界病、ファンタジーに夢見た自殺衝動が生み出した『病気』
そんな『異常』が広がった現実世界、自ら死を選ぶことがとことん封じられたif世界。

はじまりは主人公、葛籠抜 芥が異世界病に溢れた現実世界に絶望し、死を選び飛ぶところからはじまる。
ただその死の間際、モノクロに染まる停止した時間の中で、芥は天使に出会う。
天使として現れた、かつて死んだ同級生との出会いこそが、芥を更なるファンタジーへと誘った。

異世界病に抗うため、再び生きることを選択した芥が連れていかれたのが、異世界病が作り出したという半界。
そこでは異世界を夢見た異世界病者、魔法使いを率いる悪魔陣営と天使陣営が戦いを繰り広げている。
戦う術を教えられ、刻景と呼ばれる生き残る術を利用して、仲間も得て、芥もまた戦いに身を投じることになる。

しかしそれもまた、一種のファンタジーでしかないのかもしれない。芥はその世界にある違和感、重大な秘密に気づいてしまうのだ。

たしかな重厚感、癖の強いキャラクター。
世界観に作り出された雰囲気が、灰を踏みしめる足跡をたしかに描いてくれる。

芥たちは何処へ向かうのか。異世界病とは、この世界は如何なるファンタジーであるのか。
まだまだ謎は深まる物語。真実――先を追いたくなる。オススメしたい!

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