絶望と灰にて

異世界転生というものがある。現実世界への絶望か、それとも逃避か、人々はその衝動と願いのままに異世界を信じてその命を絶つ。その衝動は、異世界病と呼ばれた。
その異世界病が、生み出したものがある。

主人公は異世界病の蔓延する世界に絶望し、異世界への憧れなどではない理由で自ら死を選ぶ。
天使と、悪魔と、果たしてこれはファンタジーであるのか。ファンタジーであると信じる人々が作り上げたものではないのか。
この世界の真実はどこにあるのか、この謎には間違いなく引きずり込まれる。

読み進めていくほどに、この作品の重厚さと深さを知ることになるだろう。
灰を踏むとはどういうことか。異世界病者は何を作り上げてしまったのか。
ぜひご一読ください。

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