彼は何に執着したのか

これは、読んでいても騙される。
最終的に開示されていく答えの中で、なるほどそういうことだったのかと、そんな風に思わされる。
読了後にタイトルの意味を考えた。二重感嘆符、二重の驚き。二重、二重……確かに重なっているものがある。
家族、というものがひとつのキーワードでもあるのだろう本作、そして見え隠れしているのは方向性の異なる執着だ。
何に執着し、何を得ようとするのか。人間というものは、自分の理想に手が届かなくなったとき、どうなるのか。
歪み、追い詰められ、壊れ。あるいは追い詰め、壊し。
人間とはかくも恐ろしき、などと思うのは自分だけでしょうか。
ぜひご一読ください。

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