真白き雪の中にあるは、人か、それとも

目の前にわっと、一面の白がある。雪の音が聞こえる。
新雪を踏みしめたことはあるだろうか。あの音だ。

雪の中あいまみえた美しい女は、果たして何者であったのだろう。
そこでふらりと誘蛾灯に誘われた蛾のごとく女に誘われていたら……と思わずにはいられない。

ぽつぽつと雪の中に灯ったものは、果たして。
どこか夢想のようであり、どこか恐ろしくもあり。
美しいけれどおそろしいというのは、自然というものに共通しているのかもしれない。
そんなことを、読みながらふと思ったものである。

ぜひご一読ください。