「善いヤツ」が救いをくれるとも限らない

この死神は別に「善いヤツ」ではない。

善人ぶってもいない。なんなら自殺教唆をするくらいで。
愚痴も吐くし、自分の都合ばかり考えているし、思ったことそのまま口に出すし。

けど、そういう素朴で人間味のある死神に会えたから、主人公は自分を過剰に卑下して、未来を悲観する必要性を失っていったんだと思う。

彼女はなにか特別なことをしたり、他人と違うことを話せるような大人にならなくたっていい。
ただ、もういちど、次こそ仕事を果たしにきた死神へ、「ハロー」って手を振れるくらいの気軽さで毎日を過ごせたら。

その他のおすすめレビュー

那珂乃さんの他のおすすめレビュー715